夕焼けあんたいとるど。

2010年10月19日

Muu's Way / Woom

Muu's WayMuu's Way
Woom

Ba Da Bing 2010-07-06
売り上げランキング : 360261

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
久しぶりに褒め言葉として「ひどい」を使いたくなる作品に出会った。元fertile crescentのメンバーのユニット、Woomの1st。これが抜群にいい。音楽性は一言で言うなら、不可思議DIYインディポップ。その辺のものでテキトーに奏でたような、それでいてアーティであるという歪んだストレンジポップ。

ハイライトをダイジェストでお送りすると「はあああああ」という叫び声の後に「ok...ok...」とうわごとのように繰り返すトラックがあり、古代文明をモチーフにした楽曲を通過し、不協和音にのらずにアイリッシュトラッドのアカペラをそれと並列させるという乱暴さ。そして時々やたらキャッチー。

頭のねじが外れた人が奇怪な音楽をやることに対しては感動を覚えない人間ですが、一見普通のポップの上でサイケなピエロが躍る、どこかちょっとだけずれた世界がずれ続けて巨大な歪みになるサウンドには涙を流してしまいます。現時点で今年のトップクラスを争う感動。レーベルはBeirutでおなじみBa Da Bing!です。グッジョブ。

Myspace
posted by みかんぱ at 01:57| Comment(0) | TrackBack(0) | CDレビュー | 更新情報をチェックする

2010年10月14日

Reservoir / Fanfarlo

レザヴォアレザヴォア
ファンファーロ

ワーナーミュージック・ジャパン 2010-06-23
売り上げランキング : 173505

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

スウェーデン人のフロントマン、サイモン・バルサザール率いる大所帯バンドFanfarloの1stは、感動的な完成度を誇る作品として世に放たれている。Arcade FireやBeirutなど東欧的なオリエンタリズムを通底させつつ、先人たちと同様にトランペットやヴァイオリン、クラリネットにチェロ、果てはのこぎりまで飛び出すオーケストラルポップ。スタイルが似ていることと、祝祭的な色合いが時々顔を出すあたり(詩は結構辛辣だが)、ことサウンド面においては『葬式』と冠されたArcade Fireの1stと対になる作品かもしれない…とも考えたが聴けば聴くほどなぜArcade Fireの1stがゼロ年代を代表する傑作たりえたかが色濃くなるという不思議な感じに陥ってしまった。誤解の無いように改めて書き加えておくが、この作品は大変素晴らしい作品である。メンバー編成からしてごった煮感満載だが、ソングということに対して非常に意識的なのもいい。プロデューサーはヨンシーの『Go』を手掛けたピーターカーティス。ジャケットにたたずむお面の少女はヨンシーの妹。なるほど。

Myspace
 
posted by みかんぱ at 22:36| Comment(0) | TrackBack(0) | CDレビュー | 更新情報をチェックする

2010年10月02日

This Is What Happens / The Reign Of Kindo

This Is What HappensThis Is What Happens
ザ・レイン・オブ・カインド

Bullion 2010-07-14
売り上げランキング : 67767

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

元This Day & Ageのメンバーによるバンド、いよいよ2nd。EP、そして1stで炸裂した歌謡ジャズミーツピアノエモ的スタイルは今回も変わらず。変わらなさ過ぎて笑える。ただ、前作のような3枚目に一歩足を踏み込んでしまいかねないレベルでの過剰なキザさというのが後退し、風格のようなものを感じさせるのも事実。そのことが実はあまりよくない方向に作用していて、ジャズ方面に若干ベクトルが向いていた名作EP、エモ&キザに向いていた1stというように振り切れた「何か」を感じさせてくれないのでスリリングさはないかな。あと、「Now We've Made Our Ascent」の一部のメロディラインて前作にもあったんじゃないか?様式美の世界まで昇華しようというのかしら。偉大なるマンネリズムへと舵を切るにはまだまだ早い気がするぞ。

Myspace
posted by みかんぱ at 01:54| Comment(0) | TrackBack(0) | CDレビュー | 更新情報をチェックする

2010年09月25日

Trespassers / Kashmir

TrespassersTrespassers
Kashmir

Columbia Europe 2010-03-09
売り上げランキング : 14969

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
デンマークの国民的バンドの新作。前作『No Balance Palace』は、デヴィットボウイやルーリードなどの参加で芸術性が高まりに高まった硬質ロックの傑作であった。さて、今作。基本的な路線に変更はないが、鍵盤が効果的に取り入れられている点と大胆なストリングスの導入が特徴的。それらによってもともとの暗さと温かみが同居している形に仕上がっている。

温かみと言っても、たとえば前前作『Zitilites』収録の「The Aftermath」(これのライヴver.がすこぶるステキ)のような人の体温のようなものではなく、ストリングスに起因する神々しさ、光のぬくもり。そうした『No Balance〜』と比較した際の無機質な世界観の減退という要素からは前作と前前作との中間に位置づけられるような作品と言えるかもしれない。フォーマットは「(良質)ギターロック」ではあるが、単なる「ギターロック」で終わらない、そんな気概を感じる。

前半にはアグレッシブでエモーショナルな曲が並び、テルミンのような音色と讃美歌のようなメロディがコラージュされた「Pallas Athena」とU2がUSエモを通過したような「Still Boy」を挟み中盤からは重厚でしっかりした楽曲で流石の存在感。

それにしてもいつにも増してカスパーのヴォーカルが素晴らしい。前作のことを思うとかなりライトな気持ちで聴ける作品であるが、これは普通の顔をした「意志」がつまったすばらしい作品。久しぶりに「The Bends」型の良作を聴いた気がする。ラストのメロドラマ一歩手前の展開が白眉。闇の中に差し込む光が最も美しいことを思い出させてくれる快作だ。

Myspace
posted by みかんぱ at 01:58| Comment(0) | TrackBack(0) | CDレビュー | 更新情報をチェックする

2010年09月18日

Broadcast 2000 / Broadcast 2000

Broadcast 2000Broadcast 2000
Broadcast 2000

Gronland 2010-02-15
売り上げランキング : 337786

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

元Artisanのフロントマン、Joe Steerによるソロプロジェクト。フロムロンドン。弦周りから打楽器まで幅広くこなす器用さでおもちゃ箱的サーカスティックさを体現。もっと室内音楽然としているイメージでしたが、切り貼り人力コラージュと幾重にも重ねられたコーラスとで不思議でキュートな高揚感を演出しています。リードトラック「Rouse Your Bones」のPVもアヤシくていいですね。その中にインディというタームでの上品さが見え隠れしてステキ。こういうバタバタしたの最近聴いてなかったなあ。

Myspace
posted by みかんぱ at 01:10| Comment(0) | TrackBack(0) | CDレビュー | 更新情報をチェックする

2010年09月14日

Music Made Our World Go Round / Panda Gang

ミュージック・メイド・アワ・ワールド・ゴー・ラウンドミュージック・メイド・アワ・ワールド・ゴー・ラウンド
パンダ・ギャング

バウンディ 2010-06-16
売り上げランキング :

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

世の中にはこんなにもビタースウィートなポップがあるんだ!BDI'sを日本にしっかり届けてくれたという事実それだけで、我らがグレイドッグスレコーズのゼロ年代以降における功績が決して小さくないということは諸兄らにはもうお分かりかと思うが、今度はそのBDI'sの前身バンド、PANDA GANGの音源だ。

音楽性はBDI'sと変わるものではないが、こちらの方が苦味も甘味も色濃い。おそらくは経年とともにそれらをセンスよくまとめる術を磨いてきたのだろう。つまりむき出しの魅力というものがここにはあるのだ。むき出しとは言ってもファンク・ジャズ・ブルーズをしっかりと内包しているあたりはさすが。メロディの良さをゴテゴテで下品なプロダクションで殺してしまう例は後をたたないが、シンプルな(細部へのこだわりはよく伝わってくる)構成でこれだけ人を感動させることができる、そのお手本の様な作品だ。

特に中盤が白眉。「If I Never」、大名曲「Teen Angel (Fly Back To My Side)」がスウィート側の代表、「Sunday Morinig Light」「World Of Trouble」がビター側の代表、「The Prowl」はシネマサントラばりのホーンセクションがステキな楽曲。そらジミーミラーも惚れるわ。レッツカラフルスウィンギン!

GreyDogs
posted by みかんぱ at 02:19| Comment(0) | TrackBack(0) | CDレビュー | 更新情報をチェックする

2010年09月08日

Utauyo!!MIRACLE / NO, Thank You! / 放課後ティータイム

TVアニメ「けいおん!!」オープニングテーマ Utauyo!!MIRACLE(初回限定盤)TVアニメ「けいおん!!」オープニングテーマ Utauyo!!MIRACLE(初回限定盤)
放課後ティータイム〔平沢唯・秋山澪・田井中律・琴吹紬・中野梓(CV:豊崎愛生、日笠陽子、佐藤聡美、寿美菜子、竹達彩奈)〕

ポニーキャニオン 2010-08-04
売り上げランキング : 59

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

TVアニメ「けいおん!!」エンディングテーマ NO,Thank You!(初回限定盤)TVアニメ「けいおん!!」エンディングテーマ NO,Thank You!(初回限定盤)
放課後ティータイム〔平沢唯・秋山澪・田井中律・琴吹紬・中野梓(CV:豊崎愛生、日笠陽子、佐藤聡美、寿美菜子、竹達彩奈)〕

ポニーキャニオン 2010-08-04
売り上げランキング : 53

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

いや、ひどくまじめな話で。ままならない日常を受け入れるところまでは良いとして、「否定からのそれでも」へ向かうのではなく、そのまま自意識にまみれて沈澱していく窒息地獄と潔癖な共依存へと陥る時代とを切り裂く暴力的なバズが、「日常」に即した壮大なフェイクから生まれてしまったことには何らかの危機感を抱いて然るべきだと思うのだけど。今まで僕らは何をやっていたのだろう、と。

ツギハギの記号性以外に特に意味のない言葉と妙にハイファイなサウンド(この辺は郷に入っては郷に従え、か)には取り立てて魅力を感じないが、ここには断絶と刹那を是とする連中には絶対に口に出来ない、「今」の重みがある。そう、「今が良ければそれでいい」と「今が良くなければ意味がない」は似て非なるものなのだ。ハッピーは今感じるしかないという狂ったポジティブフィーリングも、誰も今以外生きられないという適切な過剰さを持つ焦燥感も、明らかに後者のものだろう。
 
「約束は最小単位の生きる意味」が僕の持論だ。しかし、思い出なんて、約束なんていらない、と彼女たちは言う。それはそうだ。「今」を切り取るのにそれらは障害となるのだから。だが、歩き続ける限りは必ずやそれらが必要となるのだ。「まだ」という言葉を持ってそことの距離をとる姿勢からは、日々は続いていくものだという認識の上に立脚した「今」が感じられる。つまりは、見ている風景は僕とそう違わないのだ。嗚呼。

ブリッブリの電子制御と過剰なギターソロ。「せーのっ」の隙を一切に排除したグロテスクな世界が正しさを有している悲しい健全さ。これが現代かと思うといささかさびしい気持ちもするが、発しているメッセージの正しいパワーと今年の個人的なテーマである「連帯への憧憬」へのマッチ具合が、一昨年の『HEADPHON GHOST』の興奮を想起させる。

この曲が発表されて以来、本篇はもはやどうでもよくなっている。というか、見てない。
今日は昨日みたい? 明日は今日みたい? 大丈夫 大丈夫 楽しかったら大正解
今年の僕はずっとこのラインが聴きたかったのだろう。やはり僕らの手にあるのは「今この時」だ。それが、これまでで一番良いものでありますように。だって、日々は続くじゃないか。刹那とは一線を画す、果てを明確に意識した地続きな日常のその最小単位。 瞬間に宿る希望がこの曲群には詰まっている。紛れもない2010年の音楽。悔しいが、拍手を送ろう。りっちゃん大好き。
 
posted by みかんぱ at 04:31| Comment(0) | TrackBack(0) | CDレビュー | 更新情報をチェックする

2010年09月05日

At Echo Lake / Woods

At Echo LakeAt Echo Lake
Woods

Woodsist 2010-05-04
売り上げランキング : 158044

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

オープナー「Blood Dries Darker」の1音目から雰囲気抜群。その「Blood〜」が何よりも雄弁に語っているが、前作のように牧歌的な雰囲気に突然不協和音をぶつけることによって生じる歪みを良しとしていた部分が影をひそめ、人懐っこさの部分を前面に押し出したという印象。それでもいい意味で「ひどい」と思いますが。サウンド面では前作同様、「ローファイサイケポップ」の王道をいく流れや時折顔を見せるジャングリーなギター、シンプルなリズムと謎のファルセットは健在。前述の通りスリリングな展開は減退したが、いわゆる「傑作」のかほりがより色濃く立ち上がるのはこちらだ。なんなんでしょうかこの無駄なひだまり感は。そういえば前作に「Echo Lake」って曲、あったよねえ。

Myspace
posted by みかんぱ at 23:27| Comment(0) | TrackBack(0) | CDレビュー | 更新情報をチェックする

2010年09月04日

HOLIDAYS IN THE SUN / YUI

HOLIDAYS IN THE SUNHOLIDAYS IN THE SUN
YUI

SMR 2010-07-14
売り上げランキング : 1436

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

この人の魅力というのはパーソナルな部分や気質というものがダイレクトに作品に反映される点にもあると思う。もちろん、求められる自画像というものにも意識的で、その辺のバランスをとるのが極めて巧みに感じられる。しかし、今作ではそのバランス感が悪い方向に転んでしまっているかな。無味無臭。オリジナル4枚目の今作は『HOLIDAYS IN THE SUN』というタイトルの通り、強烈な使命感に縛り付けられることのない、夏や日常を彩ることだけを想定されたかの様な楽曲が並んだホリデイドライビングアルバム。全編を通して以前までのような切れ味するどい一節があるわけではないのも、そのタイトルと無関係ではないだろう。そういう「Jポップ」という意味では完成度としては悪くない。ただ、評論家をスケープゴートにしつつのリスナー含めた全方向的ファックオフ宣言だった前作を至上のものとする人間からはライトすぎていささか物足りないのも事実だ。その後一瞬自爆しかけたのを上手に回避したところを見るに、前作の段階で今回の構想は頭のどこかにはあったのかもしれない。ともあれ、やはりその「悪くないよね」加減をどう評価するか。2nd(あれが唯一の失敗作だと思う)で頂点を迎え、その後小出しにしながら薄めていったかっこつきの「10代」というテーマ。当然聴き手として経年を重ねる身としてもこの方向性自体は支持したい、が。

楽曲単位でみると2nd収録の「Umbrella」から続くゼロ年代歌謡曲の系譜に連なる「es.car」、記号性だけでこれでもかと10代の夏への憧憬をあおる「Summer Song」、「Winter Hot Music」でも見せた数時間内の出来事と心情描写のうまさが光る「Cinnamon」あたりが秀逸。もちろん、初作からの共通の聴きどころであるラストのオープンクローズな楽曲は健在。「In fact I Love You / 愛はもう終わった」の対比は逢いたくて震えてるだけじゃわからない部分にあるのだろう。シチュエーションとしての引き出し自体は枯渇感をぬぐえないが、同じような景色を違う言葉で切り取るやり方もありだと思う。そういう成長を今後見せてくれることを期待したい。

Official
posted by みかんぱ at 00:49| Comment(0) | TrackBack(0) | CDレビュー | 更新情報をチェックする

2010年09月01日

Letting Up Despite Great Faults / Letting Up Despite Great Faults

Letting Up Despite Great FaultsLetting Up Despite Great Faults
レッティング・アップ・ディスパイト・グレイト・フォールツ

Happy Prince 2010-04-14
売り上げランキング : 24323

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

海外09年リリース作品の国内盤。オープナー「In Steps」から徹頭徹尾な既視感溢れるサウンド&ビートには思わず苦笑いをしてしまうが、まあこの手のは伝統芸能ということで。
電子音をちりばめたシューゲイズサウンドといえば、青い森から来た「彼ら」を想起させたThe Pains Of Being Pure At Heartが去年話題となったが、それほど何か「10代」をリプリゼントしているわけでもなく、どこまでいっても「普通」の作品。悪く言えばフロア対応でもベッドルーム対応でもない、中途半端さが目立つ形になっている。ただ、アートワークが唯一僕の心を激しく揺さぶった。これほどロマンチックなジャケットが果たして今年あっただろうか。そういう意味では、今後、甘美なサイケデリアで僕らを夢中にさせる作品をつくってくれるかもしれないという期待を抱かせるには十分だった。

Myspace
posted by みかんぱ at 14:27| Comment(0) | TrackBack(0) | CDレビュー | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。