CDレビュー 夕焼けあんたいとるど。

2010年03月25日

Romance Is Boring / Los Campesinos!

ロマンス・イズ・ボーリングロマンス・イズ・ボーリング
ロス・キャンペシーノス!

ホステス 2010-02-03
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僕の生涯のヒーロー、Pavement。理解なんてまっぴらごめんだ!と悪態をついたその姿勢が、「共感」を何にも勝る是の価値観として襲いかかる時代の只中にいた僕にとっては何よりもの救いであり、同時に生きるための選択としての平衡感覚の欠如を僕に教えてくれた。彼らは、振り返って見るとその始まりから終幕までの流れが、一つのバンドの物語として見事なものだった。その点もまた自分の中での権威性を高めるには十分な魅力を放っている。

そのPavementのカバーで僕とファーストコンタクトを果たすことになった彼ら。1stは見事なまでのポップセンスと「すっ転ぶ男子と無敵の女子」というコンセプトを可能とするボーカルキャラクター、男女七人組で大騒ぎ、という魅力的な要素で「ベンチに腰掛け若さを持て遊びずっと泣いていた」という方法論以外でのモラトリアムの刺激を可能とし、ゼロ年代のPavementとして君臨する風格を漂わせていた。

そこから数ヶ月という短いスパンでリリースされた『We Are Beautiful, We Are Doomed』は、いい曲たくさん出来たから出します的な無邪気なものであり、あくまでEP扱い、今作が正式な2ndとなるようだ。『We Are Beautiful〜』では持ち前の大学生メンタリティを維持しつつモラトリアムへと沈殿していく憂鬱さと葛藤を描いていたが、今回はそれを越えた所にたどり着いた、新たな物語がある。
アルバムを通して紡がれる、主人公たちの愛と死の一大叙情詩。フィーリングはポップに、音像はゴージャスに。1stの頃のドタバタ感とはまた違うポップさ、「The Sea Is A Good Place To Think Of The Future」で見せた新機軸ともいえる叙情性。そして最も印象的なのは「This Is A Flag. There Is No Wind」のボーカルワークにみられるような、少し成長して、肩を並べてどこか誇らしげな男の子に対して、少しドキッとしてしまったかのような女の子の姿が明確になっていること。

ここには1stの頃のような大学生メンタリティやすっ転ぶ男子と無敵の女子的風情は感じられない。しかし、自分たちの持ち味を損なうことなく、極めてまっとうに飛躍を手にした、初めての「名盤」の香りを漂わせている。こういう大所帯インディの体裁で、BSSとはまた異なる答えの出し方をしているというのは実はものすごいことのような気がする。メンバーの入れ替え含めて、バンドが最初のターニングポイントを迎えた事は間違いない。大人になったのではない、成長が自慢気な少し大きな子どもになったのだ。つまり、ロスキャン1期は終了したってこと。
さあ、ここからどんな物語を紡ぐのか。少なくともここまではパーフェクトだ。あの伝説のように。「ロマンスなんて退屈だ!」その通りだな。彼も言っていたな。「俺はがんばってる!」って。やれやれ、全くだよな。何度でも言おう、いいバンドだ。

Myspace 
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2010年03月24日

Heartland / Owen Pallett

ハートランドハートランド
オーウェン・パレット

ホステス 2010-01-27
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この人がいなければ成立しなかった作品がいったいどれほどあっただろうか。というわけでゼロ年代影の主役であったファイナルファンタジーことオーウェンパレットの新作。大変上品なチェンバーポップであります。この人のストリングスの妙技は、絶対に下品にならないことと、特定の感情を過剰に喚起させないことにあると思う。よくあるお涙頂戴、あるいは耳馴染みがいいでしょ的腐れミュージックに陥らない強さがある。だから、他人の作品との絡みでは抜群に威力を発揮する。だが、こと自分の作品となるとどうだろう。まあクラシカルかつアカデミックな上によくできたポップミュージックであることは間違いなく、実際僕も楽しんで聴いたのだが、いささか引っかかりが足りないか。上品さがそのままかけぬけていく感じ。もちろん聴いて損などどこにもあるわけがないのだが。今の気分としてはもっと下世話なものが聴きたいというだけでね。

Myspace
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2010年03月22日

Hidden / These New Puritans

ヒドゥンヒドゥン
ジーズ・ニュー・ピューリタンズ

ホステス 2010-01-13
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おすすめ平均

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いやあ、驚いた。こいつは素晴らしい。UKのコンセプト集団These New Puritansの新作。退廃的な空気の中に宿る、確固たる哲学と強烈な美意識。クラシカルな要素の一番グロテスクな部分だけを丁寧に取り入れ、溜息さえ許されないほど全く隙のない音像が構築されている。その中でメロディではなく、アンサンブルが実にポップな点が、この作品の魅力を高めている。ナイフを研ぐ音、メロンをハンマーでたたき割る音…。
全ての要素が彼らが音楽に愛されていることを証明している。これは2010年最初の福音だ。

Myspace
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2010年02月02日

Hustler's Son / Jason Boesel

Hustler's SonRilo Kileyのドラマー、Jason Boselのソロ作。
Bright Eyes、Rachael Yamagataなどのサポートも務めるなど、縁の下の力持ち、野球で言うところの川相みたいなポジショニングの彼が放つのは、もちろんホームランのような大きく派手なものではなく、遠慮がちな笑顔が垣間見れるようなポテンヒットで1500本安打達成的なそれ。

オルタナカントリーそのままな優しく軽いメロディラインの非常にマナー通りといえる作品で、安心と信頼が満載。
音楽的な興奮はほとんどないが、空間を和らげる、そんな魅力にあふれた1品である。

Myspace
 
posted by みかんぱ at 04:22| Comment(0) | TrackBack(0) | CDレビュー | 更新情報をチェックする

2010年02月01日

Behave Yourself EP / Cold War Kids

Behave Yourself (Dig)Cold War Kidsの新作EP。
音源を出すたびに日本での情報が薄くなって行っているような気がしてなんだかねえ。
まあ地味ですからね。致し方ないか。

4曲入り。ソウル / ブルーズを下地にした音楽性に目立った変化はなし。
それを高いレベルで続けている彼らはやはりすごいな。

「Audience」は様々な音像がミニマルかつ有機的に絡み合っていく佳曲。
「Coffee Spoon」では最低限のアンサンブルでユーフォリックさを感じさせてくれる。時代への目くばせも忘れない辺りはさすがだ。
だがしかし、彼らは逃避とは一線を画す、現代のどうしようもない物語を紡いでくれるから、信が置ける。
現代のトム・ウェイツの名をほしいままにした「Golden Gate Jumpers」に匹敵する「surmons」も収録。

2ndにはそぐわなかったという意味で「ハッピー過ぎた」楽曲を集めたそうだが、その2ndで「うた」に力点を置いて、それがいい形で作品として結実したことへの自信があったからこそリリースできたのだろう。
3rdへの期待は変わらず。いや、むしろ高くなったか。でも彼らはそれを軽々と越えてくるはずだ。これまでも、そうだった。

Myspace
 
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2010年01月24日

介乎法國與旺角的詩意 / My Little Airport

ジャケ写文字化けではありません。香港の男女2人組インディユニット、My Little Airportの新作です。
 
タイトルは「フランスとモンコックの間に介在する詩情」という意味らしい。
確かにこれはフレンチポップとかヨーロッパのインディポップを経由しつつ、どこかオリエンタルな雰囲気を醸し出している音だ。
一部で「オシャレ」という非常に暴力的な冠がついていたりするようだが、この音楽はそんなものとは対極の位置にあるものだろう。
よく計算されて意図的にもたついているように思わせるリズムに、徹底的に排除されたグルーヴ。そして雑なようでおさまりの良い音像配置。まさにローファイ。そして、「インディポップ」の教科書通りの男女のヴォーカリゼーション。いやあ素晴らしい。

ジャケ写からの強烈なインパクトで思わず手に取ったがこれは嬉しい出会いだった。がんばれCDショップ。
1/24現在、アマゾンにはない。がんばれCDショップ。

Myspace
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2010年01月22日

A Chorus of Storytellers / The Album Leaf

ア・コーラス・オヴ・ストーリーテラーズポストロック界隈、随一のポップ職人の新作。
全編バンド編成の肉感的な今作では、その中で自分の存在意義を宣言するかのように言葉数が多くなっている。
その「うた」が作品内で違和感なく溶け込んでいるあたり、Album Leafとしての変化が、確実に進んでいるということなのであろう。
しかし、前作『Into the Blue Again』以降のスランプからの完全脱却は果たされていないという印象はぬぐえず、名作『In A Safe Place』と比較してもマジカルな瞬間が激減。
ここが正念場か。盟友Sigur Rosのような見事な大転換、決定打を次の作品に期待したい。
 
Myspace
 
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2009年12月05日

Bad Veins / Bad Veins

Bad Veins流行は広告や業界が作り出すものだ、という言説はある一面では正しいのだと思う。
しかし、その作り上げようとしている潮流が、人々の潜在的な「思い」を何らかの形ですくいあげていなければ、見透かされ、陳腐化していく。
そう考えると、昨今の「ポップ」を真正面から捉えようとする流れは、観念的だったりスタイル先行だったりしたモノがシーンに溢れていた事への反動であり、またそうしたものに対し、どこかで辟易していた人々の「思い」を反映させたものなのだろう。

そこで、このBad Veinsである。
例えばGrizzly Bearなど、オーケストラルな要素を取り入れるのも近年の流れではあるかと思うが、これはそうした要素もありつつ、もっともっとど真ん中なポップミュージックである。
オーケストラルポップの成功例(昨年のMargot & The Nuclear So And So's、一昨年のくるりなど)と比べて、フォーカスされている感情もABO式血液型のように明瞭で、かつ全てが分かりやすく配置された音像と併せて考えても、とてもリスナーに優しい一枚と言えそうだ。
ニカの要素もあったりして、ポップ職人とか音楽ナードとか、そういう冠がしっくりきそう。

Myspace
 
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2009年12月03日

Catacombs / Cass McCombs

Catacombsその昔、「プリマドンナ」なる言葉を聞いた僕は、「プリティ+マドンナ」だと思い込み、「マドンナな上にプリティとな!」とその最大級の讃辞的な響きにいたく感動したものだった。
Cass McCombsの新作のトラックリストに「」の文字を見つけた時、そんな恥ずかしい勘違いを思い起こした。
そんな思い出とは無関係に(当たり前だ)ひとたび再生してみれば激スウィートで激ロマンティックな世界が辺り一面に広がる。

その色合いは絶妙で、空想と評するにはいささか現実的すぎ、全てが現実のものかというと果たしてこんな世界が確かにあるかというと疑問符がつく。
そんなこんなで気難しいアルバムではあるが、冒頭「Dreams Come True Girl」の60sテイストは素晴らしいし、全編にロマン溢れるポップソングがちりばめられてあるので、そうだな、まあここはひとつごちそうさまってトコかな。
 
Myspace
 
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2009年11月26日

The Ruminant Band / Fruit Bats

The Ruminant Bandフロントマン、エリック・ジョンソンの世界を粛々と発信し続ける地味で愛すべき売る気あんまりないよねプロジェクト、Fruit Batsの新作。
60年代、70年代のポップ魂を持ちつつ、どこかウエストコーストの香りを含んだメロディセンスでそれをローファイフォーキーな質感で放出するステキポップソング集。
ヴォーカルの声質もハイトーンなダレンヘイマンみたいなもんで、非常にグッド。

かなり乱暴な言い方をすれば(The Beatles+The Band)×インディマナーといったテイストであります。

特に「Being On Our Own」以降の楽曲が本当に素晴らしい。Dr.Dog的な現代解釈の視点をアコースティックに落とし込んだ感じ。
本当に僕は大好きで、熱を上げているんだが、本人たちが平熱のゆらっとした感じなので、なんだかちょっと恥ずかしい気持ちである。いやはや。

ジャケもこじゃれたポップアートでよいです。相変わらずいい仕事してます、サブ・ポップ。好盤。

Myspace

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2009年11月24日

Moenie and Kitchi / Gregory and The Hawk

モーニー・アンド・キッチ 
誤解を恐れず言えば、自分は子どもっぽくて純粋なところが他人よりちょっと多いかな、と思っている。
だからかもしれないが、ある程度の年齢の人間が純であること、というのは罪であるとも思っている。
結局、純なだけでは自分も他人も幸せにはできないのだ。

そもそも「純粋さ」とはなんだろうかと考えた時に、2通りあることに気づく。
幼いころのそれと、先ほど出てきた大人が持つそれだ。

彼女の歌声を聴きながら感じたのは、その大人の純粋さ、それゆえの倦怠感、焦燥感、言いようのない嫌悪感、憂鬱な満足感である。

ジャケットにたたずむ少女は僕であり、あなただ。
世界は自分の中でだけでは完結しない。それを理解しているからこそ、周囲とのコネクトに困難さを覚え、内側の世界が瓦解し、漏れ出してしまう。
そのひとり遊びの最たるもの、それがこの作品だ。消え去りそうながら、目をそらすことをゆるさない少女の物語を、ぜひ。

Myspace
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A Book Like This / Angus & Julia Stone

A Book Like This シドニーの姉弟デュオの傑作1st。
時折どこかBjorkを思わせるジュリアの歌声と、いい意味で芯のない、ふわふわと空気のように寄り添うアンガスのヴォーカリゼーション。
アレンジもアコギを主体にピアノやストリングスなど最低限の音のみで過度な装飾を排しており、曇り空オーガニックの醸成の手法として王道かつ大正解。
アルバム全編にわたって人間の喜怒哀楽、その他あらゆる感情にフォーカスがあてられているが、そのどれもが優しさのあるまなざしでもって表出されている。音楽って素晴らしいね。
基本的に通底しているのは、「世界に突き離された私と、それでもこの世界で生きていき、誰かを求める私の姿」であるからして、もっと重くなりそうではあるのですが。

ジュリアはTravisのアルバム「The Boy With No Name」にコーラスと参加していたりそのTravisのフランが今作にプロデュースで参加していたりと、UK叙情系のメランコリアとの親和性も抜群。
マーサウェインライトとツアーするわ、ダミアンライスの前座を務めるわ、オーストラリアという国からは時々予想しない方向から面白い人たちが登場しますね。

Myspace
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2009年11月23日

Noble Beast / Andrew Bird

Noble Beast普段は理詰めでしゃべって嫌がられることが多い僕ですが、こと音楽に関しては感覚的な側面でばかりしゃべっている気がします。
知識がないのでそうならざるを得ないのですが。なはは。あんまり勉強する気ないです。ふふ。

はい、インディーキッズにはおなじみアンドリューバードの新作。
1曲目の「Oh No」がジャケとの親和性が高すぎてオーノー。

その「Oh No」の幕開けでストリングとアコギとかが気だるくも明確な意志を感じさせた瞬間
「これはそうね、1日の流れを感じることができるアルバムだわね」ときたもんです。ほーらでたでた感覚的なお話。

ほどよくポップで今回も吟遊詩人っぷりが炸裂している好盤です。

Myspace
 
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2009年09月25日

A Loud Call / Holly Throsby

A Loud Callオーストラリアの爪弾き乙女、ホリー・スロスビーの3作目にして日本デビュー盤。
ソフトロックやカントリー、ネオアコなどのジャンルを縦横無尽に飛び回る物憂げで儚い歌声とアコースティックサウンド。
脇を固めるゲストも豪華で、Silver Jewsのメンバーが参加しているあたりが個人的にはグッとくる。
そしてBonnie 'prince Billyとの「Would You?」はかのBjorkの「I've Seen It All」のような危機迫るものはないものの、官能的な一品。
ひたすら地味で眠くなるアルバムだが、この手の作品においては褒め言葉であろう。

MYspace
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2009年09月24日

Roadhouse Sun / Ryan Bingham & The Dead Horses

Roadhouse Sun素晴らしいかな荒野のカントリーブルーズ。
こういうのはやはり米国だ。この懐の深さは彼らの専売特許みたいなもの。
テキサスのSSW、Ryan BinghamのLost Highwayからの2枚目。
前作以上に非常に濃密で土臭いサザンロックを聴かせてくれています。

20代とは思えない激渋サウンド。
いったい何を食べて過ごしたらそんな音がだせるようになるのかしら。

最近思うのが若い人でこういう70年代的な、音を上手に慣らす人が増えているなということ。
それでもシーンは全く停滞した感がないのだから、きちんと探せば、非常にいい時代だなと。探す手段も豊富ですしね。

Myspace
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2009年09月22日

Blue Roses / Blue Roses

Blue Roses一曲目の歌声が耳に届けられた瞬間、「ああ、これはもう声のアルバムだな」と言う風に確信させられたのだが、すぐに間違いだと気付かされることになる。
この手の高音の美しい、Juana Molinaあたりの系譜に位置づけられる女性SSWというのは、誤解を恐れず言えば
どれも似たり寄ったりなところがあるというか、代表的なところさえ押さえておけばいいかな、といったようなところが(少なくとも僕の中には)あるのだが、これは別。
この作品は声単体の魅力に依拠したものではなく、中盤から後半にかけて、それぞれのアコースティックサウンドと神がかり的な絡み合いがそのハイライトを成すものだからである。
いや、絡み合いではなく、対話と言った方がいいかもしれない。言葉のない対話。魂の共鳴。まずい、スピリチュアルめいてきた。

僕が灯台大好き人間と言うことを差し置いても、ジャケットも雰囲気が出ていて素晴らしい。シンプルだが、聴いて損はない、完成度の高い作品だ。

Myspace
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2009年09月20日

Part I: John Shade, Your Fortune's Made / Fol Chen

Part 1: John Shade, Your Fortune's Madeカリフォルニアの5人組バンドの1st。
ニカの要素をベースにした、インディポップ。
通常、無機物的というか、感情を排されたような存在と言うのは、たとえば暖かみであったりとか、そういった類のものはあまり感じられないのが一般的だとは思います。つまりその逆はそういうわけで。

Fol Chenのサウンドは、ニカベースでありながら(だからこそか?)人力感満載であります。ということはどこかに暖かみが感じられるのか?
いやいや、なんだか妙に温度が低い、感情的要素が希薄かなあと感じるのです。それはきっと夜の工場に通ずるものがあるからなのではないでしょうか。
工場って僕の中では人力なんですよね。彼らを動かしてるのは人間ですしね。でも夜の工場って人の力が介在してるはずなのに、感情が感じられない。
それでも作り出されるものには確かに感情があります。
このファクトリーミュージックも同様で、僕らの心の中を介して、有形、無形を問わずして何らかのカタチ(感情)としていつか眼前に現れるものなのではないでしょうか。

Myspace
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2009年09月02日

Come Back To The Five And Dime Bobby Dee Bobby Dee / Benjy Ferree

Come Back to the Five and Dime Bobby Dee Bobby Deeこの人はもともと俳優さんを目指していたそうですが、いやはや、夢破れてくれてよかった、

そんな失礼なことを声高に叫びたくなるくらいには大傑作なBenjy Ferreeの新作。ほんとに、大興奮の名作だ。
ルーツミュージックをモダンに再構築した、抜群の作曲センス。
スモーキーなサウンドやロマンティシズムがさく裂したナンバーとのバランスも秀逸。
この手のアルバムにありがちな、1枚の中でマンネリ化して退屈になるというミスも犯していない。

たとえば派手なギターソロだったりギミックだったりというものはほとんどないが、楽曲・メロを至上とした細部へのこだわりが感じられ、ああ、溜息。
アメリカンロック/ポップのいいところを凝縮したような作品。これを逃す手はない。

Myspace
posted by みかんぱ at 12:07| Comment(0) | TrackBack(0) | CDレビュー | 更新情報をチェックする

2009年08月31日

God Help The Girl / God Help The Girl

God Help the Girlベルセバのスチュワートのソロプロジェクト、というか演奏はベルセバメンバーだし、録音はグラスゴーだしでまあそういうことで。
このPRJのために選ばれた3人の女性Vo.はスチュワートの世界観を壊すことなく、素晴らしい寄り添いっぷり。
ソウルフルなアレンジで生まれ変わった「Funny Little Flog」もいい味出してるし、「Musician, Please Take Heed」は後期ベルセバならではのたたずまいでありながらこのPRJで演ってこその名曲。

というわけでベルセバ好きにはもちろんお勧めなんだけど、「ベルセバの音楽好き」さんにはもしかすると物足りない部分があるかもしれない。
予想の範疇とでも言いましょうか。それがどれだけすごいことか、という話ではありますが。
オルタナカントリー畑の人にももってこいでしょう。
オールディーズ、60'sガールズポップへの眼差しに溢れた愛ある好盤。
それ以上でも以下でもない、それゆえ、傍らに置いておける、心地よい安心感が全体に漂っています。

Myspace
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2009年08月28日

Still Night,Still Light / Au Revoir Simone

STILL NIGHT, STILL LIGHTなんていうのかな、よく知らないけど、オリーブ少女然としたたたずまい、それだけでもうノックアウト。
キュートだキュートじゃない、を通り越して、トリプルキーボードとかいうアホ編成にいい意味でアタック感のないふわふわしたエレクトロサウンドに「うわべの空気だけ」という言葉が褒め言葉になる瞬間に立ち会えたようで満足。

アンビエントとまではいかないまでも、これをポップと呼ぶには躊躇してしまうような、そういうアレ。でも「あざとさ」は感じない。

そういう意味でも雰囲気モノとしては優秀な一枚ではないでしょうか。

Myspace
posted by みかんぱ at 00:59| Comment(0) | TrackBack(0) | CDレビュー | 更新情報をチェックする
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