CDレビュー 夕焼けあんたいとるど。

2011年02月14日

WORLD RECORD / cero

WORLD RECORDWORLD RECORD
cero

バウンディ 2011-01-26
売り上げランキング : 3580

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10代でサニーデイに出会ってから、「原風景への憧憬」という系譜と大国への成長を鬱屈した姿勢で見つめるまなざし、そして憂鬱な満足感をパッケージした音楽を好んで聴いてきた身にとってこの10年間の「消失」はなんとも形容しがたいものがあった。多感な時期を田舎で過ごした僕には、そりゃあ周りを見渡せばどこまでも原風景なんて広がっていたのだけれども、僕が憧れを抱いていたのは、都会のそれだった。成長する街にはあまり興味がなく、ましてや周囲を含め成長するそぶりすらない街になんて。

トーキョー発、4人組Contemporary Exotica Rock Orchestra。略してceroのデビュー作。音楽性はミクスチャー/ポストロックあたりがベースか。その上でヒップホップもトラディショナルなポップも舞台で自由に跳ねまわる、抜群の完成度。左右のチャンネルの多幸感も新人離れしている。居並ぶ言葉たちに耳をすませば「狐の嫁入り」と「iPod」が並列するという架空都市っぷり。童謡の歌詞の挿入も耳に楽しい。いわゆるエキゾチカな質感だな、と思えば、辿って出るわ出るわのティン・パン・アレー/ムーンライダース人脈。なるほど。この計算しつくされた音像にも納得だ。

本秀康さんによるアートワークもパーフェクト。一聴した瞬間には僕が欲していたものが10年ぶりに現れたと歓喜に震えたが、冷静に考えれば彼らが奏でる都市の原風景とモダンさとの共演が、実在するものであっても虚像であってもどちらにしても悲しいじゃないか。それでも、ここで映し出されている景色はどこまでも美しく、正しいがゆえ、聴くたびに笑顔になってしまう。音楽の魔法が宿ったレコードだと思う。

Myspace

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2011年01月31日

Dye It Blonde / Smith Westerns

Dye It BlondeDye It Blonde
Smith Westerns

Fat Possum Records 2011-01-18
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2011最初の福音。ちょうどリリース前に数曲を視聴したのがベストディスク2010の記事を書いている頃で、前作の最低な音質で最高なファズパンクを奏でていた姿をどっかに放り投げるという姿勢をアートワークの中指立てっぷりと併せて記事内で褒め称えたわけだが、通して聴いたら今回も中身が伴っていて拍手もの。

ザラザラしたきったねえ音触りは多少残っているものの、シンセなどで音のシャワー感を増した(今までのものを考えるとだけど)やたら小奇麗なプロダクションに笑ってしまう。時々Magic Kidsにすら聴こえる。

というわけで正しい意味での「乱反射」な感じがちょっとかっこつけすぎなんじゃないの?とは思うが、もともとメロディはすごくよかったし、それが引き出されてよいガレージポップに仕上がってるんじゃないかなあと。

もしかすると2010年の一番のあたりは彼らだったのかも。今作から入る人はぜひ前作もどうぞ。この背伸び感はホント、笑っちゃうぜ。いい作品だ!

Myspace
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2010年11月12日

ファンファーレと熱狂 / andymori

ファンファーレと熱狂ファンファーレと熱狂
andymori

Youth Records 2010-02-03
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ストロークスとリバティーンズの合いの子みたいなのにタイトな演奏という不思議な魅力を放つ才能の塊バンドの新作。邦楽アーティストを取り巻くバンド物語だとか人となり至上主義な狭い世界にはまるで興味がないのではずれているのかもしれないが、ソングライター、相当周囲にムカついてますね。いや、それは周囲ではなく、自分なのかもしれないけれど。とにかくピリピリしたものを感じる。タイトな演奏はその緊張感の表れなのかもしれない。ただ、そうしたものの吐き出し方としてシニカルさをどこかに漂わせながらサラリとやってのけるというのがスマートでいい。世の中に対して言いたいことなんて何もない、なんてな。

クソみたいな世の中に対して苛立ちながらも虚無のポーズを取るということは他でもない「それでも」の体現であり、生きるための選択として平衡感覚の放棄と消失をPavementに教えてもらった僕のような人間であれば当然のように歓喜に震えるところである。それにしても何度も出てくる人身事故というモチーフが秀逸だ。この世界には上手に処理できない感情の方が多く渦巻いていて、それは人が集う場所であればさらに強くなる、そのことをよく表している。そして人身事故の被害者は誰だ、と思わずにはいられない。そして会えないのは、誰だ。

もう一つ白眉な点は「SAWASDEECLAP YOUR HANDS」における「パスポートやカードは昨日盗まれた/整形もしたし肌の色もどんどん変わっていって/SAWASDEECLAP YOUR HANDS」のライン。コミュニティが変わればすべては刷新され、表情が変わる。揺るがない自分なんてものはその個人だけでは成立しないし存在しないということを、そしてそのことを肯定と喜びをもって迎え入れることの大切さを彼らは知っている。

そう、苛立ちが通底する感情だとしても、ここでまとわれるフィーリングは祝祭的かつポップなものなのである。この絶妙なバランス感覚こそが絶対に正しいと思う。死ね、だとか勝手に世界終わらせてみたりだとか、そういうのはもういいよ。逃げ場なんかない。この日常をいくしかない。そしてそれはそう悪いものじゃないと、そう信じていかないとやってられないだろ?君にもアイアンメイデンのTシャツを着たオヤジがニッと笑う姿が見えることを願ってやまない。
 
Myspace
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2010年11月11日

Sleep Mountain / The Kissaway Trail

スリープ・マウンテンスリープ・マウンテン
ザ・キスアウェイ・トレイル

ホステス 2010-03-24
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デンマークのバンド、3年ぶりの2作目。オープナーから前作の「Smother + Evil = Hurt」「La La Song」で興奮したことを思い出す。そうそう、どこまでもいける感じが、このバンドの1stにはあったよなー、と。

基本路線は変わらず、アーケイドファイア的フォーマットを採用したキラキラした大地踏みしめポップ。圧倒的多幸感も相変わらず。ただどうなんだろう、コンセプチュアルな部分はいざ知らず、個々の楽曲のクオリティ自体は、前作の方が高かったような気がする。この起伏の無さは甘々な洋菓子を直線的にぶちこまれてるような感覚にも似た退屈さに直結してしまう。

1stレビュー時(2007)の僕の言葉を借りるなら、
「幼い頃、空を自由に飛び回りたいと願った事がある人は少なくないだろう。もしかすると、こんな時代だ、そう願うのは何も子どもたちばかりではなく、大人たちの方がむしろ多いくらいなのかもしれない。僕も例に漏れず、そうした「解放されたい願望」を持った事は確かにある。しかし最近思うのは、解放され「どこでもない場所」へと飛び立っていくのではなく、この複雑な時代を、それらを全て引き受け、引き連れた上で地に足をつけて力強く歩きたいという事だ。デンマークの新人バンド、キスアウェイトレイルの1stはその傍らに常にあってほしい、そんなアルバムだ。」と感じさせる瞬間は大きく減退したということだ。

前作の成功の度合いを考えれば、これが2ndアルバムシンドロームに当てはまるのかは分からないが、これで興味を持った方には前作をお勧めする、そういう立ち位置にある作品のように思える。

Myspace
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2010年11月10日

Young / Summer Camp

YOUNGYOUNG
サマー・キャンプ

VINYL JUNKIE 2010-09-08
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チルウェイブだとかグローファイだとかまあ大きく括ればビーチポップもそうか、とにかくそういうジャンルはいつも通りよくわからないのだけれども、少なくともいつぞやのニューレイヴよりは思想面でも実態がありそうな気がしている。とはいえ、個人的なテーマがレジュメできている時はそういうブームにはまるで見向きもしないので、何がどうなっているかはよく分からない。伝え聞くところによればそれは逃避と結びついている側面があるということだから、残念ながら今の僕とは相容れないということになる。まあそれでも一枚くらい聞いてみるかとショップで展開されていたコーナーから視聴もせずに選んだのがこれ。完全にジャケ買い。タイトル買い。

で、この中身の無さはなんなんでしょうか。大変素晴らしいです。けだるいヴォーカルとリヴァーヴ。ソフトな白昼夢。このジャンルはもう少し楽天的な音楽のイメージがありましたがああ、なるほど調べてみれば彼らはイギリスのバンドだった。どこまでも曇天の逃避と憧憬。夏の終わりでこそという感じではあるが、「もしもし」からリリースされたデビューシングル「Ghost Train」やNWな「Round The Moon」を聴く限り、ポップポテンシャルは低くはなさそうなので、今後にも注目。
ところで、Summercampというバンド名を聴くと90年代のパワポバンドを思い出すが、全く関係ないのですね。いやはや。

Myspace
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2010年11月08日

Clay Stones / We Are The World

Clay StonesClay Stones
We Are The World

Manimal Vinyl 2010-04-13
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妖艶で高潔。現時点で文句なしの今年最も素晴らしい作品だといえる。コンセプト先行、観念的かつ先鋭的なヴィジュアルでヤバイにおいを待ちきらす、頭からタイツをかぶったサイケデリックサーカス団、その名もWe Are The Worldのフルレンス。

一応のジャンル分けはテクノとかあのあたりになるのだろうか。ただ、どこまでも暴力的なビートにスリリングなトラックが躍る、で、タイツ姿で祈りを捧げるというある意味ではベタベタなアヴァンギャルドさがあって規定するのが難しいサウンドである。

情報が少なすぎて何から話したらいいか分からないが、ファーストコンタクトが全身タイツの集団がクリスカニンガムの世界をブルーマンで再現してるみたいな映像だっだもんだから、もう正直僕の中の幼子の部分が号泣してて調べたくもない。こええよ。僕は芸術が分からない人間だからとにかく彼らの表現が怖くてしょうがない。それでものぞき見てしまう彼らのライヴパフォーマンスからは、幼いころに美術館で見た佐々木正芳氏の『ぬぎたいU』という作品で感じた甘美な恐怖に魂が震えたあの瞬間が立ちあがってくる。そのヴィジュアル的側面は正直人を選ぶが、音楽は、鳴らされている世界は、あまりに美しすぎて一部の隙もない完璧さ。
僕個人の薄っぺらい人生の中では、ゴダールの『気狂いピエロ』のラスト以来、感動の引き出しの開いたことのない部分が一斉に音をたてた金字塔アルバムである。嗚呼。

Myspace

PV - "Clay Stones"
Live - at the Echoplex
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2010年11月06日

Dark Night Of The Soul / Danger Mouse & Sparklehorse

Dark Night of the SoulDark Night of the Soul
Danger Mouse

Capitol 2010-07-12
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豪華なゲスト陣によって制作されたSparklehorseとDanger Mouse、David Lynchのコラボ作。EMIとのゴタゴタを乗り越えて正式盤としてリリース。David Lynchの写真集やトレーラーなども一つのセットとして考えられるからコンセプトアルバムとしての側面が強いのかと思いきや、肝心の音づくりの方では参加ヴォーカリストによって曲のフォーマットを変えるなど、コンピ色も十分楽しめるものになっている。
参加者はPixiesのフランシス、Strokesのジュリアン(どこに出してもセレブリティでセクシーだ)、Shinsのジェイムスやイギーポップ(!)、ファーリーズ、スザンヌ・ヴェガの名前まで。まあこれだけのメンツであれば統一感もへったくれもないか、という感じではあるが、そこは2人のプロダクションが本当に巧みで、Sparklehorseのコラージュ感と同居させても全く違和感がないものに仕上がっている。本当に、マーク・リンカスは才気あふれる人だった。もっともっと彼の作品を聴きたかったな。本当に惜しい人を亡くした。そういう思いがまた一段と強くなる作品。ニーナからスザンヌ・ヴェガの流れが『Dreamt For Light Years In The Belly Of A Mountain』(2006)を想起させ、涙が出そうだ。

 
Official Website
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言葉にならない、笑顔を見せてくれよ / くるり

言葉にならない、笑顔をみせてくれよ(初回限定盤)(DVD付)言葉にならない、笑顔をみせてくれよ(初回限定盤)(DVD付)
くるり くるりとユーミン

ビクターエンタテインメント 2010-09-08
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前作「魂のゆくえ」は荒野を独りで行くような、本当にさびしいアルバムだった。それはアートワークからも存分に感じられたことであった。さて今作。そのアートワークをまず見てみると清水池公園前を思わせる景色上に踊る「さよならアメリカ」「東京レレレのレ」の文字。そこから連想されるほどにオリエンタルなアルバムかというと、少なからずそういう側面はあるにせよ、むしろ大きなキーワードはやはり「日常回帰」だろうと思われる。

「ワルツを踊れ」が最高傑作である、という考えは今でも変わらないが今年の個人的なモードはあちら側に行ってしまうことではなく、今かろうじて自分が依拠しているこの日々というものをもう一度愛しみを持って見つめ直すということである。そういう意味で観念的な部分以外でのギミックへの無頓着さとともに放たれる「は〜あっちちのち〜」にどうしようもないほどに感動してしまう。そう、とにもかくにも「温泉」が白眉なのだ。そこからシングル「魔法のじゅうたん」「シャツを洗えば」への流れはポップで肯定的なフィーリングで久しぶりにコマーシャルでいいと思うし、後半「犬とベイビー」で頂点を迎える枯れた意匠はそれをまとうことによってこの作品全体の説得力を押し上げていてバランス感も十分。ただ、ラストの「麦茶」だけがやたらストレンジ。ケトルについた水滴から浮かび上がってくる、前進しようとする主人公の気持ちというものが、本当にシンプルで無表情なアレンジにのせて歌われている。えっ、これがラスト?と思ってしまうほどにそっけない。でも、ものすごく惹かれる楽曲。これが次にどうつながっていくのか楽しみでもある。

「否定からのそれでも」の時もそうだったけれど、自分の嗜好をレジュメできている時というのは、自然とそういう音楽が集まってくるような気がする。アンテナが明確な方向性を持っている、ということなのかもしれない。僕のように執心したアーティストが既に活動していなかったりする場合、そこが定まっているかどうかは豊潤な音楽享受生活には欠かせない。この作品に限らず日常に回帰すること、日々は続いていくんだということをしっかりと言う表現が増えているのを感じる。振り返った時に2010年は幸せだったといえるかもしれない。このまま潔癖で狭い世界はいったん駆逐されてしまえばいいのに。
 
 
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2010年11月05日

放課後ティータイムU / 放課後ティータイム

TVアニメ「けいおん! ! 」劇中歌集 放課後ティータイム II(通常盤)TVアニメ「けいおん! ! 」劇中歌集 放課後ティータイム II(通常盤)
放課後ティータイム

ポニーキャニオン 2010-10-27
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暴力的なバズを引っさげたフェイクバンドの2ndにして初のフルレンス。

すっかり本編どうでもいい組からは脱落してしまった。慣れというものは恐ろしいもので、1年も聴き続ければ当然なのかもしれないが、平沢御大の地獄の業火みたいなヴォーカルに違和感を覚えなくなっている。それどころかラスト「放課後ティータイム」においては田井中女史の浮きっぷりと比較するとその差は歴然な見事なマッチングにある種の感動すら覚える。こういう部分に起因する私はいーんだよ!という部長の(たまに見せる)奥ゆかしさを愛さずにはいられない。

いかん、音の話をしよう。
通底するのは1st同様「よき90年代の体現」だ。Hysteric Blueの自爆から約10年。やっとこういうのが出るくらいには1周したのかな、という感じ。ギタポ / パワポマナーにそった楽曲だらけで安心して聴ける。「ごはんはおかず」だけは平沢御大のベギラゴンと沢庵和尚の頭のおかしいリフが炸裂してますが。何がアツアツホカホカだバカ。もちろんこういう作品だから「冬の日」の律にせよ「U&I」の憂にせよ、もっと言えば「天使に触れたよ!」の中野さんにせよ、アニメありきになってしまう部分というのはどうしてもあるが、90年代のJ-Popで育ってきた人間には楽曲そのものでも十分に楽しめる作品だとは思う。僕が幼い頃は陽のあたる場所にいる若い人たちってこういう音を鳴らしていたような気がするのだが、今や傷を舐めあうような世界ばかりが目につくからね。そういう意味でも、懐かしさはある。やたらハイファイな音づくりは相変わらずだけど下品なストリングスでベタ塗りするのとはちょっと手法が違っているので、許容範囲。まあ1stと比べるとちょっと派手すぎるというか、かっこつけすぎな部分はあるけどね。とにかくソングという部分で琴線に触れるのがいい。参照点があからさまなのがあっても、高校生の音楽はそれぐらいでちょうどいいと思う。何気に「ふわふわ時間」のリフアレンジであるInterludeがいい仕事をしている。頭のネジが吹っ飛んだ面白Tシャツガールの声がないと色眼鏡が取れますね奥さん。

まあ冷静になれば粗はたくさん見えてくるのだろうし、ハイティーン以降で恥ずかしげもなく自分の想いを「ぴゅあぴゅあ」とか言ってのける神経は、齢20ちょっとになっても「男の子と女の子」の世界を地で行く人間の醜悪さを思い出させるようで、外野の視線よろしく気持ち悪いと思うが、入れ込んでしまえばもうどうしようもないのである。私人でよかったと思う瞬間だ。

りっちゃん派としてはやはりハイライトは「冬の日」だろう。誰から誰にあてられたものかは別として、この曲だけは今作随一のどうしようもないほどの「日常」なのだ。とにかく今年の僕は「日常」を切り取られると弱い。例えそれが一切体験していないことだとしも、どこかにあったような気がする部分をくすぐったり、もう一つの可能世界を提示し、「まあそんなものないんだけどね」ってカラッと笑ったりするようなそんな距離感がJ-Popの良さじゃなかったか。そう、僕に10代なんかなかった。でも、だからこそじゃないか。死ぬまでは、終わりじゃないんだ。前髪を下ろしたきみの姿を見せてくれないか。
 

シングルのあれはこっち→http://sunset-untitled.seesaa.net/article/161871727.html
 
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2010年10月19日

Muu's Way / Woom

Muu's WayMuu's Way
Woom

Ba Da Bing 2010-07-06
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久しぶりに褒め言葉として「ひどい」を使いたくなる作品に出会った。元fertile crescentのメンバーのユニット、Woomの1st。これが抜群にいい。音楽性は一言で言うなら、不可思議DIYインディポップ。その辺のものでテキトーに奏でたような、それでいてアーティであるという歪んだストレンジポップ。

ハイライトをダイジェストでお送りすると「はあああああ」という叫び声の後に「ok...ok...」とうわごとのように繰り返すトラックがあり、古代文明をモチーフにした楽曲を通過し、不協和音にのらずにアイリッシュトラッドのアカペラをそれと並列させるという乱暴さ。そして時々やたらキャッチー。

頭のねじが外れた人が奇怪な音楽をやることに対しては感動を覚えない人間ですが、一見普通のポップの上でサイケなピエロが躍る、どこかちょっとだけずれた世界がずれ続けて巨大な歪みになるサウンドには涙を流してしまいます。現時点で今年のトップクラスを争う感動。レーベルはBeirutでおなじみBa Da Bing!です。グッジョブ。

Myspace
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2010年10月14日

Reservoir / Fanfarlo

レザヴォアレザヴォア
ファンファーロ

ワーナーミュージック・ジャパン 2010-06-23
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スウェーデン人のフロントマン、サイモン・バルサザール率いる大所帯バンドFanfarloの1stは、感動的な完成度を誇る作品として世に放たれている。Arcade FireやBeirutなど東欧的なオリエンタリズムを通底させつつ、先人たちと同様にトランペットやヴァイオリン、クラリネットにチェロ、果てはのこぎりまで飛び出すオーケストラルポップ。スタイルが似ていることと、祝祭的な色合いが時々顔を出すあたり(詩は結構辛辣だが)、ことサウンド面においては『葬式』と冠されたArcade Fireの1stと対になる作品かもしれない…とも考えたが聴けば聴くほどなぜArcade Fireの1stがゼロ年代を代表する傑作たりえたかが色濃くなるという不思議な感じに陥ってしまった。誤解の無いように改めて書き加えておくが、この作品は大変素晴らしい作品である。メンバー編成からしてごった煮感満載だが、ソングということに対して非常に意識的なのもいい。プロデューサーはヨンシーの『Go』を手掛けたピーターカーティス。ジャケットにたたずむお面の少女はヨンシーの妹。なるほど。

Myspace
 
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2010年10月02日

This Is What Happens / The Reign Of Kindo

This Is What HappensThis Is What Happens
ザ・レイン・オブ・カインド

Bullion 2010-07-14
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元This Day & Ageのメンバーによるバンド、いよいよ2nd。EP、そして1stで炸裂した歌謡ジャズミーツピアノエモ的スタイルは今回も変わらず。変わらなさ過ぎて笑える。ただ、前作のような3枚目に一歩足を踏み込んでしまいかねないレベルでの過剰なキザさというのが後退し、風格のようなものを感じさせるのも事実。そのことが実はあまりよくない方向に作用していて、ジャズ方面に若干ベクトルが向いていた名作EP、エモ&キザに向いていた1stというように振り切れた「何か」を感じさせてくれないのでスリリングさはないかな。あと、「Now We've Made Our Ascent」の一部のメロディラインて前作にもあったんじゃないか?様式美の世界まで昇華しようというのかしら。偉大なるマンネリズムへと舵を切るにはまだまだ早い気がするぞ。

Myspace
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2010年09月25日

Trespassers / Kashmir

TrespassersTrespassers
Kashmir

Columbia Europe 2010-03-09
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デンマークの国民的バンドの新作。前作『No Balance Palace』は、デヴィットボウイやルーリードなどの参加で芸術性が高まりに高まった硬質ロックの傑作であった。さて、今作。基本的な路線に変更はないが、鍵盤が効果的に取り入れられている点と大胆なストリングスの導入が特徴的。それらによってもともとの暗さと温かみが同居している形に仕上がっている。

温かみと言っても、たとえば前前作『Zitilites』収録の「The Aftermath」(これのライヴver.がすこぶるステキ)のような人の体温のようなものではなく、ストリングスに起因する神々しさ、光のぬくもり。そうした『No Balance〜』と比較した際の無機質な世界観の減退という要素からは前作と前前作との中間に位置づけられるような作品と言えるかもしれない。フォーマットは「(良質)ギターロック」ではあるが、単なる「ギターロック」で終わらない、そんな気概を感じる。

前半にはアグレッシブでエモーショナルな曲が並び、テルミンのような音色と讃美歌のようなメロディがコラージュされた「Pallas Athena」とU2がUSエモを通過したような「Still Boy」を挟み中盤からは重厚でしっかりした楽曲で流石の存在感。

それにしてもいつにも増してカスパーのヴォーカルが素晴らしい。前作のことを思うとかなりライトな気持ちで聴ける作品であるが、これは普通の顔をした「意志」がつまったすばらしい作品。久しぶりに「The Bends」型の良作を聴いた気がする。ラストのメロドラマ一歩手前の展開が白眉。闇の中に差し込む光が最も美しいことを思い出させてくれる快作だ。

Myspace
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2010年09月18日

Broadcast 2000 / Broadcast 2000

Broadcast 2000Broadcast 2000
Broadcast 2000

Gronland 2010-02-15
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元Artisanのフロントマン、Joe Steerによるソロプロジェクト。フロムロンドン。弦周りから打楽器まで幅広くこなす器用さでおもちゃ箱的サーカスティックさを体現。もっと室内音楽然としているイメージでしたが、切り貼り人力コラージュと幾重にも重ねられたコーラスとで不思議でキュートな高揚感を演出しています。リードトラック「Rouse Your Bones」のPVもアヤシくていいですね。その中にインディというタームでの上品さが見え隠れしてステキ。こういうバタバタしたの最近聴いてなかったなあ。

Myspace
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2010年09月14日

Music Made Our World Go Round / Panda Gang

ミュージック・メイド・アワ・ワールド・ゴー・ラウンドミュージック・メイド・アワ・ワールド・ゴー・ラウンド
パンダ・ギャング

バウンディ 2010-06-16
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世の中にはこんなにもビタースウィートなポップがあるんだ!BDI'sを日本にしっかり届けてくれたという事実それだけで、我らがグレイドッグスレコーズのゼロ年代以降における功績が決して小さくないということは諸兄らにはもうお分かりかと思うが、今度はそのBDI'sの前身バンド、PANDA GANGの音源だ。

音楽性はBDI'sと変わるものではないが、こちらの方が苦味も甘味も色濃い。おそらくは経年とともにそれらをセンスよくまとめる術を磨いてきたのだろう。つまりむき出しの魅力というものがここにはあるのだ。むき出しとは言ってもファンク・ジャズ・ブルーズをしっかりと内包しているあたりはさすが。メロディの良さをゴテゴテで下品なプロダクションで殺してしまう例は後をたたないが、シンプルな(細部へのこだわりはよく伝わってくる)構成でこれだけ人を感動させることができる、そのお手本の様な作品だ。

特に中盤が白眉。「If I Never」、大名曲「Teen Angel (Fly Back To My Side)」がスウィート側の代表、「Sunday Morinig Light」「World Of Trouble」がビター側の代表、「The Prowl」はシネマサントラばりのホーンセクションがステキな楽曲。そらジミーミラーも惚れるわ。レッツカラフルスウィンギン!

GreyDogs
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2010年09月08日

Utauyo!!MIRACLE / NO, Thank You! / 放課後ティータイム

TVアニメ「けいおん!!」オープニングテーマ Utauyo!!MIRACLE(初回限定盤)TVアニメ「けいおん!!」オープニングテーマ Utauyo!!MIRACLE(初回限定盤)
放課後ティータイム〔平沢唯・秋山澪・田井中律・琴吹紬・中野梓(CV:豊崎愛生、日笠陽子、佐藤聡美、寿美菜子、竹達彩奈)〕

ポニーキャニオン 2010-08-04
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TVアニメ「けいおん!!」エンディングテーマ NO,Thank You!(初回限定盤)TVアニメ「けいおん!!」エンディングテーマ NO,Thank You!(初回限定盤)
放課後ティータイム〔平沢唯・秋山澪・田井中律・琴吹紬・中野梓(CV:豊崎愛生、日笠陽子、佐藤聡美、寿美菜子、竹達彩奈)〕

ポニーキャニオン 2010-08-04
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いや、ひどくまじめな話で。ままならない日常を受け入れるところまでは良いとして、「否定からのそれでも」へ向かうのではなく、そのまま自意識にまみれて沈澱していく窒息地獄と潔癖な共依存へと陥る時代とを切り裂く暴力的なバズが、「日常」に即した壮大なフェイクから生まれてしまったことには何らかの危機感を抱いて然るべきだと思うのだけど。今まで僕らは何をやっていたのだろう、と。

ツギハギの記号性以外に特に意味のない言葉と妙にハイファイなサウンド(この辺は郷に入っては郷に従え、か)には取り立てて魅力を感じないが、ここには断絶と刹那を是とする連中には絶対に口に出来ない、「今」の重みがある。そう、「今が良ければそれでいい」と「今が良くなければ意味がない」は似て非なるものなのだ。ハッピーは今感じるしかないという狂ったポジティブフィーリングも、誰も今以外生きられないという適切な過剰さを持つ焦燥感も、明らかに後者のものだろう。
 
「約束は最小単位の生きる意味」が僕の持論だ。しかし、思い出なんて、約束なんていらない、と彼女たちは言う。それはそうだ。「今」を切り取るのにそれらは障害となるのだから。だが、歩き続ける限りは必ずやそれらが必要となるのだ。「まだ」という言葉を持ってそことの距離をとる姿勢からは、日々は続いていくものだという認識の上に立脚した「今」が感じられる。つまりは、見ている風景は僕とそう違わないのだ。嗚呼。

ブリッブリの電子制御と過剰なギターソロ。「せーのっ」の隙を一切に排除したグロテスクな世界が正しさを有している悲しい健全さ。これが現代かと思うといささかさびしい気持ちもするが、発しているメッセージの正しいパワーと今年の個人的なテーマである「連帯への憧憬」へのマッチ具合が、一昨年の『HEADPHON GHOST』の興奮を想起させる。

この曲が発表されて以来、本篇はもはやどうでもよくなっている。というか、見てない。
今日は昨日みたい? 明日は今日みたい? 大丈夫 大丈夫 楽しかったら大正解
今年の僕はずっとこのラインが聴きたかったのだろう。やはり僕らの手にあるのは「今この時」だ。それが、これまでで一番良いものでありますように。だって、日々は続くじゃないか。刹那とは一線を画す、果てを明確に意識した地続きな日常のその最小単位。 瞬間に宿る希望がこの曲群には詰まっている。紛れもない2010年の音楽。悔しいが、拍手を送ろう。りっちゃん大好き。
 
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2010年09月05日

At Echo Lake / Woods

At Echo LakeAt Echo Lake
Woods

Woodsist 2010-05-04
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オープナー「Blood Dries Darker」の1音目から雰囲気抜群。その「Blood〜」が何よりも雄弁に語っているが、前作のように牧歌的な雰囲気に突然不協和音をぶつけることによって生じる歪みを良しとしていた部分が影をひそめ、人懐っこさの部分を前面に押し出したという印象。それでもいい意味で「ひどい」と思いますが。サウンド面では前作同様、「ローファイサイケポップ」の王道をいく流れや時折顔を見せるジャングリーなギター、シンプルなリズムと謎のファルセットは健在。前述の通りスリリングな展開は減退したが、いわゆる「傑作」のかほりがより色濃く立ち上がるのはこちらだ。なんなんでしょうかこの無駄なひだまり感は。そういえば前作に「Echo Lake」って曲、あったよねえ。

Myspace
posted by みかんぱ at 23:27| Comment(0) | TrackBack(0) | CDレビュー | 更新情報をチェックする

2010年09月04日

HOLIDAYS IN THE SUN / YUI

HOLIDAYS IN THE SUNHOLIDAYS IN THE SUN
YUI

SMR 2010-07-14
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この人の魅力というのはパーソナルな部分や気質というものがダイレクトに作品に反映される点にもあると思う。もちろん、求められる自画像というものにも意識的で、その辺のバランスをとるのが極めて巧みに感じられる。しかし、今作ではそのバランス感が悪い方向に転んでしまっているかな。無味無臭。オリジナル4枚目の今作は『HOLIDAYS IN THE SUN』というタイトルの通り、強烈な使命感に縛り付けられることのない、夏や日常を彩ることだけを想定されたかの様な楽曲が並んだホリデイドライビングアルバム。全編を通して以前までのような切れ味するどい一節があるわけではないのも、そのタイトルと無関係ではないだろう。そういう「Jポップ」という意味では完成度としては悪くない。ただ、評論家をスケープゴートにしつつのリスナー含めた全方向的ファックオフ宣言だった前作を至上のものとする人間からはライトすぎていささか物足りないのも事実だ。その後一瞬自爆しかけたのを上手に回避したところを見るに、前作の段階で今回の構想は頭のどこかにはあったのかもしれない。ともあれ、やはりその「悪くないよね」加減をどう評価するか。2nd(あれが唯一の失敗作だと思う)で頂点を迎え、その後小出しにしながら薄めていったかっこつきの「10代」というテーマ。当然聴き手として経年を重ねる身としてもこの方向性自体は支持したい、が。

楽曲単位でみると2nd収録の「Umbrella」から続くゼロ年代歌謡曲の系譜に連なる「es.car」、記号性だけでこれでもかと10代の夏への憧憬をあおる「Summer Song」、「Winter Hot Music」でも見せた数時間内の出来事と心情描写のうまさが光る「Cinnamon」あたりが秀逸。もちろん、初作からの共通の聴きどころであるラストのオープンクローズな楽曲は健在。「In fact I Love You / 愛はもう終わった」の対比は逢いたくて震えてるだけじゃわからない部分にあるのだろう。シチュエーションとしての引き出し自体は枯渇感をぬぐえないが、同じような景色を違う言葉で切り取るやり方もありだと思う。そういう成長を今後見せてくれることを期待したい。

Official
posted by みかんぱ at 00:49| Comment(0) | TrackBack(0) | CDレビュー | 更新情報をチェックする

2010年09月01日

Letting Up Despite Great Faults / Letting Up Despite Great Faults

Letting Up Despite Great FaultsLetting Up Despite Great Faults
レッティング・アップ・ディスパイト・グレイト・フォールツ

Happy Prince 2010-04-14
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海外09年リリース作品の国内盤。オープナー「In Steps」から徹頭徹尾な既視感溢れるサウンド&ビートには思わず苦笑いをしてしまうが、まあこの手のは伝統芸能ということで。
電子音をちりばめたシューゲイズサウンドといえば、青い森から来た「彼ら」を想起させたThe Pains Of Being Pure At Heartが去年話題となったが、それほど何か「10代」をリプリゼントしているわけでもなく、どこまでいっても「普通」の作品。悪く言えばフロア対応でもベッドルーム対応でもない、中途半端さが目立つ形になっている。ただ、アートワークが唯一僕の心を激しく揺さぶった。これほどロマンチックなジャケットが果たして今年あっただろうか。そういう意味では、今後、甘美なサイケデリアで僕らを夢中にさせる作品をつくってくれるかもしれないという期待を抱かせるには十分だった。

Myspace
posted by みかんぱ at 14:27| Comment(0) | TrackBack(0) | CDレビュー | 更新情報をチェックする

Forgiveness Rock Record / Broken Social Scene

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ブロークン・ソーシャル・シーン

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ずっとずっと、そう、初めて出会ったときからずっとこの音を待っていた気がする。BSS5年ぶりの新作は、これまで時に漂い過ぎるほど漂っていた周辺活動「の方」が充実している、との考えを吹き飛ばす快作。プロデュースはTortoiseのジョン・マッケンタイア。彼の色だけが過剰に盛り込まれることのない、極めて理想的な融合。大所帯と抜けのある空気感を両立できるのは、製作に携わったすべてのメンバーがプロフェッショナルであるからに他ならないだろう。とにかく軽やかで美しい。これほどの清涼感でもって時代を射抜いた作品が今年あっただろうか。
人々の何気ない触れ合いから立ち上る幸福な時間と忍び寄る危機感、自由を求め胎動し始める命と、青春を謳歌する躍動感。そのすべてが一音一音丁寧にパッケージされ、赦しと救いにこちらが包まれる瞬間がそこかしこに仕掛けられている。チームArts&Crufts、心から拍手の大傑作だ。

Myspace
posted by みかんぱ at 01:18| Comment(0) | TrackBack(0) | CDレビュー | 更新情報をチェックする
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