CDレビュー 夕焼けあんたいとるど。

2011年05月26日

BeVeci Calopueno / モーモールルギャバン

BeVeci Calopueno(初回限定盤)BeVeci Calopueno(初回限定盤)
モーモールルギャバン

ビクターエンタテインメント 2011-03-16
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きったねえクラムボン、最新作。これはややもすると彼らのキャリアにおけるエポックな作品となるかもしれない。

バンドアンサンブルが格段に良くなっている。もともと技術屋集団としても申し分のないポテンシャルは見せてくれていたがそれと比較してもこれは大したものだ。また、アイデアと音楽的素養の豊かさをちゃんとポップに落としこんでいるのも相変わらず良い。なかでもリードトラックの「Hello!! Mr. Coke-High」が秀逸。ユキちゃんみたいな曲なんか2度と作るか、と吐き捨てただけはある。もはや彼らからはある種のプログレファンクロックとしての風格すら感じる。これらの背景にはゲイリーのワンマンバンドから「モーモールルギャバン」への進化が大きく寄与しているのだろう。なかでもユコ・カティの存在が相当大きかったのであろうことが伝わってくる。まあつまりは、なぜ今になって「美紗子にささげるラブソング」をボーナストラックとして入れてきたのか、ということである。ペシミストがロマンティックをやると強い。バラエティ豊かな全編を通して自信が伝わってくる。彼らに「J-Pop」の未来を託したのは正解だったと、今でもそう思っている。

Myspace
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2011年05月17日

Departing / The Rural Alberta Advantage

DepartingDeparting
Rural Alberta Advantage

Saddle Creek 2011-03-01
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裏さびれたようなキーボード、音数を絞りに絞ったラフな演奏…ドタバタしたビートの上にやけにキャッチーなメロが乗ったキュートで控えめな1stの際、「世界がどんどん広がっていくとさらに大化けしそうな期待の新人」と書いたが、これは化けた。化けに化けた。スタジアムを、世界を視界に入れた野心的なサウンドに変貌。それでも彼らの良さである、謙虚な音の選び方は根底に流れており、ゴージャスな意匠をまとう際も決して下品にはならない。タイトで空気感をしっかりと大切にしているのが伝わってくる。メロディには磨きがかかり、コーラスワークも絶品。ヴォーカルのねちっこい感じも適切に増しており、全ての要素が理想的に進化。いよいよこれは世界制覇かという期待が高まる。そういえばBSSの風を感じる。やはり、カナダはすごい。

Myspace
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2011年05月15日

As I Call You Down / Fistful Of Mercy

アズ・アイ・コール・ユー・ダウンアズ・アイ・コール・ユー・ダウン
フィストフル・オブ・マーシー

インディーズ・メーカー 2011-02-09
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確かにこれは…CSN&Yである。ベン・ハーパー、ジョセフ・アーサー、ダーニ・ハリスンのSSW3人衆によるユニットの1st。アコースティックさをベースに、ギターを降り重ねるようにかき鳴らしながら流麗なコーラスワークを響かせる…やはりCSN&Yだ。まあだったらそっち聴けよ、「デジャナ・ヴ」は今でも有効だぜ、と内なる自分がささやくのは事実ではあるが、現代の才人たちによってこれが鳴らされてるという事実が、僕を幸福にさせる。曲はすべて3人の共作だが、やはり際立っているのはベンハーパーか。「ベン」絡みで3人組と言えば、ベン・フォールズ、ベン・リー、ベン・クウェラーの『ベンズ』を思い出すが、彼らのようにすぐ終わらないで長くマテリアルを出し続けてほしいものだ。

Myspace
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2011年05月13日

Lives And Treasure / Acrylics

LIVES AND TREASURELIVES AND TREASURE
ACRYLICS

MOORWORKS 2011-03-16
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ブルックリンの男女2人組デュオによるドリームポップな新作。ブルックリン勢の中ではかなりポップ寄り。MGMTのプロデューサーやマドンナやリアーナのエンジニアが絡むという、最近のトレンド感ばっちり…ではあるのだが、微妙にどこにも属していない、オリジナリティが顔をのぞかせている気がする。彼らもまた、オールドスクールなポップミュージックに魅了されたものであることは疑いようもないが、いわゆるチルウェイブであったり単なるサイケ/シューゲイズでもなく…間違ってもロックンロールリバイバルなんかじゃない。つかみどころのない不思議なアルバム。案外こういう連中が後に大物になったりするのかもしれない。甘美な雰囲気を漂わせる低温の美学。歌謡曲みたいなメロディがたまに。それも含めて70年代的と言えば、そうかもしれない。

Myspace
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2011年05月12日

Civilian / Wye Oak

CivilianCivilian
Wye Oak

Merge Records 2011-03-08
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バルチモア発。男女2人組ユニット。質感として横に並べてみたいのはyoung galaxy、Yo La Tengo、果てはメランコリアという側面ではDeath Cab For Cutieまで名前が挙がるだろうか。空間の使い方が秀逸な深淵なるドリームノイズポップ。幽玄な女性Vo.がその空気感の演出に一役買っている。シューゲイズや音響派とも共振する意匠が立ち並ぶが、ソングライティングの中核には意外とフォーキーさが鎮座していて、聴きやすい。ソリッドな鳴りやノイズの挿入も適切で、一層アトモスフィアさを引きだたせていることも好感が持てる要素か。この手のものとしては、頭でっかちにならず、世界感をナチュラルに構築できているので、初めてでも安心。あまりケチをつけるところがない。ジャケット通りで大変よろしいです。

Myspace
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2011年05月05日

Old Friends / I Was A King

Old FriendsOld Friends
I Was a King

Sounds Familyre 2011-01-25
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さあティーンエイジファンクラブの時間だ!ノルウェー出身、その名もI Was A Kingの、Half-handed Cloudも参加した最新作は見事なポップネス。構造はフォーキーな質感をベースにしたインディポップであり、人懐こいメロディがカギ。その今ではありふれてしまった光景から他と一線を画すものを探すとすれば、決して多くはない音数から描き出されるその豊かな音像か。奏でられた音ももちろん楽しいのだが、そこから立ち上ってくる意匠がけた違いに優しくカラフルなのだ。90年代翼賛、大いに結構じゃないか。スコットランド、いいところだね。日本にはTFCもベルセバもいないのさ。ノルウェーからの贈り物である彼らの音楽を聴く理由は、僕にはある。

Myspace
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2011年05月04日

Salon Des Amateurs / Hauschka

Salon Des AmateursSalon Des Amateurs
Hauschka

Fat Cat 2011-04-12
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最近のインストものはやたら潔癖性や物語性ばかりを強調しすぎていけすかない…。やっぱりポストロック源流が持つ器楽性に耽美さとかエロティシズムを織り込むのがいいんじゃないのか…ということでドイツのHauschkaのニューマテリアル。前述のような連中とは一線を画す素晴らしさ。今作もまた、プリペアード・ピアノ精神が息づく好盤である。何より自らに内在する扉を自然に開けて物語を構築してくれるところがいいじゃないか。すべては聴き手次第。既にある物語に触れることに飽いた方は、ぜひ。
 
Myspace
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2011年04月23日

Mission Bell / Amos Lee

ミッション・ベルミッション・ベル
エイモス・リー

EMIミュージックジャパン 2011-01-19
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世界を魅了した「Keep It Loose, Keep It Tight」から早6年。通産4枚目はおなじみブルーノートから。初期に見られたAORにも通じるモダンなシティポップとしての表情は、作品を重ねるごとにその枯れた意匠とともに味わい深さと土臭さとを増し、ブルーアイドソウルというくくりから解き放たれ、Amos LeeというSSWとしての世界観を構築するに至った。僕がウェストコーストの音楽に魅了されてからどれくらいになるだろうか。2000年代を(セールス的にも)代表するSSWの1人がこんな作品を出してくれるなんて、なんて幸せなことだろう。プロデュースはCalexicoのジョーイ・バーンズで、Iron&Wineことサムビームも参加。ほら、豊潤でかつ荒涼とした「アメリカ」が立ち上ってこないか。これこそ、ソウルだ。


Myspace
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2011年04月21日

Coming Of Age / KNESSET

COMING OF AGECOMING OF AGE
KNESSET

AND RECORDS 2011-02-16
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いいメロディのアルバムだ、と言いきってしまう前に冷静に耳を傾けたい瞬間がそこかしこにあふれている。フェニックス出自の新人、Knessetのデビュー作は欧米のポップミュージックが最も輝きを放っていた90年代オルタナの風を感じさせる傑作である。

ここにはGrandaddyもSonic YouthもSigur RosもBlonde RedheadもSea & Cakeだってある。美しい旋律と優しさと規律が支配するアンサンブルでノスタルジーに唾を吐く。そう、興味があるのはただ1点。ロマンティックのみだ。ゼロ年代に花開く北米インディの雄、BSSの思想も飲み込んだ、およそ新人離れしたそのたたずまいに「故につまらない」を感じる向きもあるだろう。だが、僕にはこのアートワークと「Summer Sun」のメランコリアと「Make Like a Parade」以降の歪みと静寂に何も感じないとは言わせないという彼らの気概を感じる。久しぶりに1音目で「ニヤリ」とさせてくれるソングライティングに出会った気がする。彼らは…信頼に値するバンドだと思うな。

Myspace
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2011年04月17日

Belong / The Pains Of Being Pure At Heart

ビロングビロング
ザ・ペインズ・オブ・ビーイング・ピュア・アット・ハート THE PAINS OF BEING PURE AT HEART

アール・アンド・シー 2011-03-16
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僕の日常なんておぞましさ以外何もない。だが僕は日常を愛している。今思えば10代なんて今よりもっとひどかった気がする。ブルーな10代のなんと怠惰で退屈なこと!
だが恐らくこの先も含めて、当時が人生で最も夢想家であり、同時に現実主義であったのだろうと思う。だからこそ、今とは比べ物にならないほどの寵愛でもってそれを受け入れる。
バランスなんてくそくらえ、両方に振り切ってななめになりながら真っ直ぐ道を行く。いや、僕に10代なんてなかった。だからだろう。そのサウンドトラックは、大人になった今周囲に現れてくる。
ペインズ、誰しもの予想を上回る理想的な進化です。ヒーローはスマパン。なるほどね。君の10代に、幸あれ。

Myspace
 
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2011年04月14日

ヘイト船長回顧録 / 鈴木慶一

ヘイト船長回顧録 ラヴ航海士抄ヘイト船長回顧録 ラヴ航海士抄
鈴木慶一

ソニー・ミュージックダイレクト 2011-01-26
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曽我部恵一プロデュース3部作の最終作。<Harbour side>と<City-side>とで構成されるコンセプトアルバム。記憶と記録に関する日本の作品で、これほどの完成度を誇るものを少なくともこの数年、僕は聞いたことがなかった。今は亡きSparklehorseに匹敵するサウンドコラージュと「かんかんのう」から「Witchi Tai To」まで、そして国籍からアナログ / デジタルの技術までをも縦横無尽に飛び回る極めて映像的な楽曲が居並ぶ宝石箱。優しくもそっけない慶一氏の歌唱と、濃厚で豊潤な意匠をまとったゲスト陣の存在感がここまで高度に絡み合ったまま適切なバランスを保っているのは、ある種の奇跡とすら思えるが、いかがでしょうか。

Official
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2011年04月13日

James Blake / James Blake

James BlakeJames Blake
James Blake

Republic 2011-03-22
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『CMYK』のセクシーさったらとんでもなかったわけだが、これはオープナーから壮絶なまでの「うた」のアルバムで驚いた。つぶやくようなか細さと芯の強さが同居したその声は、現実の中の歪みをさらに誇大に提示するかのように捻じ曲げられ、それが乗るバックトラックも人の手の介在が明らかなのに冷気そのもののダウナーさ。およそポップとはかけ離れた要素が満載の「ダブステップ」アルバムなのだが―これだけのバズになるにはもちろん理由がある。

ここには一晩の、あるいは青年期のメランコリアがふんだんに盛り込まれている。静寂(都会のそれは元来の意味からは変容してしまったが)の中に放り込まれる時にサブリミナルな歪さは、モダンな都市の生活者の孤独の体現そのものである。心酔するのも違うが卑下するほど僕の周囲には温もりがあふれているわけではない。パーソナルで深い悲しみを忌避しつつ、どこか共鳴してしまう、ベッドルームミュージック。嗚呼、平気でそういう付き合い方を選択できるようになったこと、そのものが悲しみだ。転換期を見せたダブステップシーンからポップへの殴り込み。存在感抜群の久しぶりのスターの誕生を喜ぼう。

Myspace
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2011年04月11日

Kaputt / Destroyer

KaputtKaputt
Destroyer

Merge Records 2011-01-25
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もう9作目ですか。それでいてこんなに瑞々しく、ロマンティックなポップを奏でられるもんなんですね。男女ツインの気だるいボーカルとアンビエントな質感を持った電子音を武器に、ジャズやシンセポップなどを横断する豊潤な意匠には脱帽。近年のポップの潮流の一部として旋律を楽しむのもよし、放たれる甘美なフレグランスで部屋中を満たすBGMとして機能させるもよしのバランスのとれた良作ですね。真なるロマンティックには、悪意と「私」の所在なさげな表情が不可欠だが、そのビターな質感は確かにここにある。お見事。

Myspace
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2011年03月26日

Shapeshifting / Young Galaxy

ShapeshiftingShapeshifting
Young Galaxy

Paper Bag 2011-02-15
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Starsの元ギタリストであるStephenとそのガール・フレンドCathrineらによるプロジェクト、Young Galaxyの新作。ライトにシューゲしたドリームポップの佳曲、「The Alchemy Between Us」に惹かれて購入したセルフタイトルの1stが、アートワーク通りのスペーシーさで良かったわけですが、今作では全編に散りばめられた空間的な電子音がこれまたアートワーク通りのほの暗い海の底感を演出。エレクトロニカな質感で解放感とは真逆の深度を増していくような息苦しさを見事に音像として映し出している。持ち前の清涼感と浮遊感も残っているので、聴きやすさは絶妙。アルバムごとにテーマを持って意匠をまとえる、誠実なバンドだなあと改めて。カナダにはいい系譜がしっかりと根付いているようで何よりです。

Myspace
 
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2011年03月24日

Cloud Nothings / Cloud Nothings

クラウド・ナッシングスクラウド・ナッシングス
クラウド・ナッシングス

ホステス 2011-02-16
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前作が好き過ぎたせいで少し戸惑ってしまったが、考えてみればこれが19歳の等身大か。あるいはノイズでくぐもっていたせいで老成した印象を勝手に抱いてしまっていただけなのかもしれない。クリーヴランドの新星、Cloud Nothingsの新作は若さはじける爽やかローファイノイズポップが気持ちいい作品に仕上がっている。
雰囲気としてはもはやポップパンクの領域。「Rock」なんていうまっすぐな曲があるのには好感を抱いたし、曲によってヴォーカリゼーションがコロコロと表情を変えるあたりも面白い。ただしこれは10代のための音楽。おじさんには哀愁漂うメランコリアと瑞々しさが同居していた前作の方が肌になじむんだよな。あのノイズは意匠や手段とは別の場所にあった。「あえて」のクリアさは本作が微妙にまとうローファイさが逆説的にギミックありきとなってしまったことを物語っている。佳曲揃いではあるんだけどね。
 
Myspace
 
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2011年03月11日

The Babies / The Babies

BabiesBabies
Babies

Shrimper Records 2011-02-15
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はい、ローファイポップです。オープナーからWoodsみたいだなーと思ってたらWoodsのベーシストのプロジェクトでした。で、Woodsよりガレージ色あるなあ、女性ヴォーカルの声が完全にVivian Girlsだなあ、と思ってたらVivian GirlsのCassieでした。というわけで「Woods+Vivian Girls」という形容以外に適切な表現が見当たらないほどに、分かりやすいサウンド。「ローファイ飽きた」な人じゃなくて、流行なんか関係なくもとからローファイ好きだった人向けですかね。Woodsほどストレンジじゃなく、Vivian Girlsより肩の力は抜けています。ドライヴに持って来いです。

Myspace
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2011年03月08日

Mine Is Yours / Cold War Kids

Mine Is YoursMine Is Yours
Cold War Kids

Geffen Records 2011-01-25
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どうした、北米インディブルーズロックの雄。これは「セルアウト」にもならない肩透かしな作品だ。ブルーズ/ソウルを下地にした音づくりは健在だが、意匠が完全にスタジアムを視野に入れたそれ。壮大な展開とアンセミックなメロディが羅列される様はもはや別のバンド。クールなジャケットと抜き差しならなくなった人間たちのそれでも生きようとする姿を丁寧に描いてきた姿勢が好きだったのに…。野心は悪くないが、僕はU2が苦手でしょうがないんだよ…。

Myspace
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2011年03月07日

Cape Dory / Tennis

Cape DoryCape Dory
Tennis

Fat Possum Records 2011-01-18
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Real Estate以外のいわゆるビーチポップなサウンドに昨年傾倒しなかった大きな理由は、そのレビューの際にも書いた話であるが、彼らには「夏の抗うことのできないキラキラした瞬間」が宿っていたが、その他の作品群には「夏嫌い」で「夏に思い入れのない」僕のような人間の憧憬を掻き立てるものがそこにはなかったからである。

ではなぜデンヴァーの素人みたいなラブラブ夫婦デュオ、Tennisが奏でる東海岸8カ月の思い出である処女作に夢中になっているのか。それはこんな僕にも「大好きな夏」があったことを思い出させてくれたからだ。

1年に2回くらいしか帰ってこない父との釣りとキャッチボールが何より好きだったあの頃。思えば今よりずっと涼しかった「夏」の日に、僕は確かに父と水族館に行った。水族館そのもののことは全く覚えていないが、帰りの信じられないほど長い渋滞に巻き込まれたときにカーステレオのラジオから聞こえてきたポップミュージックの質感をよく覚えている。その番組で最後に流れたのは奥田民生の「さすらい」だった。海の上をボートで半年以上も漂った夫婦が歌う、60年代ガールポップのキラメキは、「まわりはさすらわぬ人ばかり」のそのひとりになってしまった僕に、あの頃、少しいらいらした様子の父の後ろ姿を横目に、海岸線沿いの景色を何時間も楽しむことができた喜びをこれでもかと想起させた。

革新性を求める人のなかには、あまりにもそのままな発露にまゆをひそめる人もいるかもしれない。だが、思い出と結びついた音楽は強い。聴く側の姿勢としても、個人的な部分を前面に接するものがあってもいいだろう。これも音楽の楽しみ方。10曲28分の魔法にかかったもん勝ちだ。
 

Myspace
 
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2011年03月06日

Deerhoof Vs. Evil / Deerhoof

ディアフーフ vs イーヴィル [日本盤のみ歌詞/対訳付] [ボーナストラック付き]ディアフーフ vs イーヴィル [日本盤のみ歌詞/対訳付] [ボーナストラック付き]
ディアフーフ

Pヴァイン・レコード 2011-01-06
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16年選手の通算10枚目。これはまた奇妙な力作だ。プライベートな場所を用いて録音された今作について、もっとローファイな質感なものを想像していたのだが、実際は前作よりもやたら抜けのいい音。それでいてギミックもしっかりしてる。ただし、とにかくチープ。こういうバランス感覚の鋭さが彼らの良いところだと思う。
 
タイトルやアートワークからもどこかポリティカルなものが感じられ、サトミ・マツザキのチャイルドライクな歌声はこれまでとはまた違う文脈で批評眼というものをまとったように聴こえる。とぼけた顔してスリリングな罠があちこちにしかけられているこの作品は、ストレンジポップのニュースタンダードを提示しうる作品なのかもしれない。あるいはいつも通りハチャメチャなだけか。
 
Myspace

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2011年03月04日

Kiss Each Other Clean / Iron & Wine

キス・イーチ・アザー・クリーンキス・イーチ・アザー・クリーン
アイアン&ワイン

ホステス 2011-01-26
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アイアン&ワインことサム・ビームの4枚目。初期のアシッド・フォーク的風情は洗練さを極め、ジャズ/ブルーズ/ソウル、果てはアフリカンからフュージョンへという音楽的な幅の広さを実にモダンな質感で見せつける。それらをつなぐのは、温かみのある「うた」。
情景の描写が巧みなことでも知られる彼だが、それを見ているのは人であり、またその景色を伝え聞くのも我々人である。その間をつなぐ「うた」の力を感じさせてくれた。正直彼からそれを思い知らされるとは(いい意味で)思っていなかったので驚くと同時に嬉しさを感じずにはいられない。
盟友Calexicoの最新作はロードムービーそのものであったが、この作品もまたたくさんのアメリカを切り取っている。豊潤な音楽が持つ力を存分に放つ快作だ。

Myspace
 
posted by みかんぱ at 11:02| Comment(0) | TrackBack(0) | CDレビュー | 更新情報をチェックする
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