WORLD RECORD / cero 夕焼けあんたいとるど。

2011年02月14日

WORLD RECORD / cero

WORLD RECORDWORLD RECORD
cero

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10代でサニーデイに出会ってから、「原風景への憧憬」という系譜と大国への成長を鬱屈した姿勢で見つめるまなざし、そして憂鬱な満足感をパッケージした音楽を好んで聴いてきた身にとってこの10年間の「消失」はなんとも形容しがたいものがあった。多感な時期を田舎で過ごした僕には、そりゃあ周りを見渡せばどこまでも原風景なんて広がっていたのだけれども、僕が憧れを抱いていたのは、都会のそれだった。成長する街にはあまり興味がなく、ましてや周囲を含め成長するそぶりすらない街になんて。

トーキョー発、4人組Contemporary Exotica Rock Orchestra。略してceroのデビュー作。音楽性はミクスチャー/ポストロックあたりがベースか。その上でヒップホップもトラディショナルなポップも舞台で自由に跳ねまわる、抜群の完成度。左右のチャンネルの多幸感も新人離れしている。居並ぶ言葉たちに耳をすませば「狐の嫁入り」と「iPod」が並列するという架空都市っぷり。童謡の歌詞の挿入も耳に楽しい。いわゆるエキゾチカな質感だな、と思えば、辿って出るわ出るわのティン・パン・アレー/ムーンライダース人脈。なるほど。この計算しつくされた音像にも納得だ。

本秀康さんによるアートワークもパーフェクト。一聴した瞬間には僕が欲していたものが10年ぶりに現れたと歓喜に震えたが、冷静に考えれば彼らが奏でる都市の原風景とモダンさとの共演が、実在するものであっても虚像であってもどちらにしても悲しいじゃないか。それでも、ここで映し出されている景色はどこまでも美しく、正しいがゆえ、聴くたびに笑顔になってしまう。音楽の魔法が宿ったレコードだと思う。

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posted by みかんぱ at 00:10| Comment(0) | TrackBack(0) | CDレビュー | 更新情報をチェックする
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