夕焼けあんたいとるど。

2011年04月23日

Mission Bell / Amos Lee

ミッション・ベルミッション・ベル
エイモス・リー

EMIミュージックジャパン 2011-01-19
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世界を魅了した「Keep It Loose, Keep It Tight」から早6年。通産4枚目はおなじみブルーノートから。初期に見られたAORにも通じるモダンなシティポップとしての表情は、作品を重ねるごとにその枯れた意匠とともに味わい深さと土臭さとを増し、ブルーアイドソウルというくくりから解き放たれ、Amos LeeというSSWとしての世界観を構築するに至った。僕がウェストコーストの音楽に魅了されてからどれくらいになるだろうか。2000年代を(セールス的にも)代表するSSWの1人がこんな作品を出してくれるなんて、なんて幸せなことだろう。プロデュースはCalexicoのジョーイ・バーンズで、Iron&Wineことサムビームも参加。ほら、豊潤でかつ荒涼とした「アメリカ」が立ち上ってこないか。これこそ、ソウルだ。


Myspace
posted by みかんぱ at 01:18| Comment(0) | TrackBack(0) | CDレビュー | 更新情報をチェックする

2011年04月21日

Coming Of Age / KNESSET

COMING OF AGECOMING OF AGE
KNESSET

AND RECORDS 2011-02-16
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いいメロディのアルバムだ、と言いきってしまう前に冷静に耳を傾けたい瞬間がそこかしこにあふれている。フェニックス出自の新人、Knessetのデビュー作は欧米のポップミュージックが最も輝きを放っていた90年代オルタナの風を感じさせる傑作である。

ここにはGrandaddyもSonic YouthもSigur RosもBlonde RedheadもSea & Cakeだってある。美しい旋律と優しさと規律が支配するアンサンブルでノスタルジーに唾を吐く。そう、興味があるのはただ1点。ロマンティックのみだ。ゼロ年代に花開く北米インディの雄、BSSの思想も飲み込んだ、およそ新人離れしたそのたたずまいに「故につまらない」を感じる向きもあるだろう。だが、僕にはこのアートワークと「Summer Sun」のメランコリアと「Make Like a Parade」以降の歪みと静寂に何も感じないとは言わせないという彼らの気概を感じる。久しぶりに1音目で「ニヤリ」とさせてくれるソングライティングに出会った気がする。彼らは…信頼に値するバンドだと思うな。

Myspace
posted by みかんぱ at 20:42| Comment(0) | TrackBack(0) | CDレビュー | 更新情報をチェックする

2011年04月17日

Belong / The Pains Of Being Pure At Heart

ビロングビロング
ザ・ペインズ・オブ・ビーイング・ピュア・アット・ハート THE PAINS OF BEING PURE AT HEART

アール・アンド・シー 2011-03-16
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僕の日常なんておぞましさ以外何もない。だが僕は日常を愛している。今思えば10代なんて今よりもっとひどかった気がする。ブルーな10代のなんと怠惰で退屈なこと!
だが恐らくこの先も含めて、当時が人生で最も夢想家であり、同時に現実主義であったのだろうと思う。だからこそ、今とは比べ物にならないほどの寵愛でもってそれを受け入れる。
バランスなんてくそくらえ、両方に振り切ってななめになりながら真っ直ぐ道を行く。いや、僕に10代なんてなかった。だからだろう。そのサウンドトラックは、大人になった今周囲に現れてくる。
ペインズ、誰しもの予想を上回る理想的な進化です。ヒーローはスマパン。なるほどね。君の10代に、幸あれ。

Myspace
 
posted by みかんぱ at 10:06| Comment(0) | TrackBack(0) | CDレビュー | 更新情報をチェックする

2011年04月14日

ヘイト船長回顧録 / 鈴木慶一

ヘイト船長回顧録 ラヴ航海士抄ヘイト船長回顧録 ラヴ航海士抄
鈴木慶一

ソニー・ミュージックダイレクト 2011-01-26
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曽我部恵一プロデュース3部作の最終作。<Harbour side>と<City-side>とで構成されるコンセプトアルバム。記憶と記録に関する日本の作品で、これほどの完成度を誇るものを少なくともこの数年、僕は聞いたことがなかった。今は亡きSparklehorseに匹敵するサウンドコラージュと「かんかんのう」から「Witchi Tai To」まで、そして国籍からアナログ / デジタルの技術までをも縦横無尽に飛び回る極めて映像的な楽曲が居並ぶ宝石箱。優しくもそっけない慶一氏の歌唱と、濃厚で豊潤な意匠をまとったゲスト陣の存在感がここまで高度に絡み合ったまま適切なバランスを保っているのは、ある種の奇跡とすら思えるが、いかがでしょうか。

Official
posted by みかんぱ at 22:24| Comment(0) | TrackBack(0) | CDレビュー | 更新情報をチェックする

2011年04月13日

James Blake / James Blake

James BlakeJames Blake
James Blake

Republic 2011-03-22
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『CMYK』のセクシーさったらとんでもなかったわけだが、これはオープナーから壮絶なまでの「うた」のアルバムで驚いた。つぶやくようなか細さと芯の強さが同居したその声は、現実の中の歪みをさらに誇大に提示するかのように捻じ曲げられ、それが乗るバックトラックも人の手の介在が明らかなのに冷気そのもののダウナーさ。およそポップとはかけ離れた要素が満載の「ダブステップ」アルバムなのだが―これだけのバズになるにはもちろん理由がある。

ここには一晩の、あるいは青年期のメランコリアがふんだんに盛り込まれている。静寂(都会のそれは元来の意味からは変容してしまったが)の中に放り込まれる時にサブリミナルな歪さは、モダンな都市の生活者の孤独の体現そのものである。心酔するのも違うが卑下するほど僕の周囲には温もりがあふれているわけではない。パーソナルで深い悲しみを忌避しつつ、どこか共鳴してしまう、ベッドルームミュージック。嗚呼、平気でそういう付き合い方を選択できるようになったこと、そのものが悲しみだ。転換期を見せたダブステップシーンからポップへの殴り込み。存在感抜群の久しぶりのスターの誕生を喜ぼう。

Myspace
posted by みかんぱ at 01:15| Comment(0) | TrackBack(0) | CDレビュー | 更新情報をチェックする

2011年04月11日

Kaputt / Destroyer

KaputtKaputt
Destroyer

Merge Records 2011-01-25
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もう9作目ですか。それでいてこんなに瑞々しく、ロマンティックなポップを奏でられるもんなんですね。男女ツインの気だるいボーカルとアンビエントな質感を持った電子音を武器に、ジャズやシンセポップなどを横断する豊潤な意匠には脱帽。近年のポップの潮流の一部として旋律を楽しむのもよし、放たれる甘美なフレグランスで部屋中を満たすBGMとして機能させるもよしのバランスのとれた良作ですね。真なるロマンティックには、悪意と「私」の所在なさげな表情が不可欠だが、そのビターな質感は確かにここにある。お見事。

Myspace
posted by みかんぱ at 01:09| Comment(0) | TrackBack(0) | CDレビュー | 更新情報をチェックする
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