夕焼けあんたいとるど。

2010年08月24日

Destroyer of the Void / Blitzen Trapper

Destroyer of the Void (Dig)Destroyer of the Void (Dig)
Blitzen Trapper

Sub Pop 2010-06-08
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ポートランド出身の5人組の5枚目にして、日本デビュー盤。特にベースでの香りがひときわ目立つのだが、時折見事なビートルズサウンドが飛び出す素敵作品。もともとの指向性としても、60年代から現在に至るまでのカントリーなりアメリカーナなりをベースにしているわけで、これが良くないわけがない。Dr.DogやFruit Bats(ああ、SUB POPだった)らにも通ずる安定感のある愛。根なし草なアメリカンロック故の強固な土くささと、あたたかみのあるメロディを堪能しましょう。

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posted by みかんぱ at 23:45| Comment(0) | TrackBack(0) | CDレビュー | 更新情報をチェックする

2010年08月21日

クロなら結構です / モーモールルギャバン

クロなら結構ですクロなら結構です
モーモールルギャバン

ビクターエンタテインメント 2010-06-23
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1枚目、「野口〜」の時は本質が宿った軽薄な言葉たちに感銘を受け、J-Popの未来を託したりもしてみましたが、つつましやかな「幸せになりたい」という願いは、当然そんな未来のことはお構いなしに加速中。歪んだ本質の正直な告白第2章は、冷静に自己分析できている故の過剰で美しい表現と自己嫌悪がたくさん詰まった初期作品を中心にパッケージされた素晴らしい1品。

性衝動と自意識の肥大を超えたところに向かっているというバンドの状態は次々作以降に反映されるようですが、前作と今作で鳴らされている音はまさに今現在、特に若い世代に必要とされるべきものでしょう。日本版FOWというのはこういう世界観のことなのかもしれませんね。

ミニアルバムだってのに音楽的引き出しの多さを1st以上に端々から見せつけた上に、しまいにゃ「"ユキちゃん"みたいな曲もっと作れよって作んねえよ、アホか」だそうな。なんだ、ただのクールなパンティ泥棒か。

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posted by みかんぱ at 22:30| Comment(0) | TrackBack(0) | CDレビュー | 更新情報をチェックする

2010年08月14日

Beachcomber's Windowsill / Stornoway

Beachcomber's WindowsillBeachcomber's Windowsill
Stornoway

4ad 2010-06-01
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かっ…軽い…というのが初聴の印象。でもこういうの久しくなかったからいいなあって。いやいやローファイなの結構あふれてますやん、て話ですけど、あれは僕が追い求めるものとは全く別物。だって極めてまともでまじめじゃないですか。あるいはふざけてるだけ。それも大事ですけどそれだけだからつまらないんだもの。真面目なんだかふざけてんだかよくわからなくて、でも、ああこの人ら大真面目にふざけてるな、それで言ってることすげえまともだな、てところに感動するわけですよ、ええ。

で、この若き才能stornowayですよ。かのBBC『Sound of 2010』に選出されていたらしい期待の星、4ADからリリースという「はいはい、脇においておきましょうね」感満載の中、聴いてみたらこのクソまじめなオトボケ感。出身はオックスフォード。もう、いかにもなオックスフォーディですね。そんな言葉ないけど。どこかずれた祝祭色と牧歌的で人畜無害なコーラスワーク、ふわふわしているのに突然タイトになり、意外とバタバタしている=つまり軽いリズムでとにかくニコニコしているうちに終わってしまう。全体に通底するハートウォーミングなメロディに好感が持てます。久しぶりにUKからいい新人が出てきました。

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posted by みかんぱ at 10:44| Comment(0) | TrackBack(0) | CDレビュー | 更新情報をチェックする

2010年08月13日

Learning / Perfume Genius

LearningLearning
Perfume Genius

Organs 2010-06-21
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ああ、思わず溜息がこぼれてしまう美しさだ。ローファイなサウンド、アンビエント風なピアノと吐息交じりの歌唱、幻想的なコーラス…文字通りのベッドルームミュージック的風情であるが、小さな世界にとどまることのない、感情の深いところを起点とした解放的かつ創造的なアプローチを持っているところが非常に魅力的。冒頭1曲でその世界観を雄弁に語る「Learning」が初めてレコーディングした曲って本当ですか。記号に満ち溢れてはいるけれど、押しつけがましさや過剰さとは無縁。いつまでも同じことを繰り返していても許されるタイプの、ステキな才能を持った新人の登場だ。

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posted by みかんぱ at 15:25| Comment(2) | TrackBack(0) | CDレビュー | 更新情報をチェックする

2010年08月11日

Shake / Shiver / Moan / 22-20s

Shake/Shiver/MoanShake/Shiver/Moan
22-20s

アール・アンド・シー 2010-05-19
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だめだ。期待が高すぎた。だって大好きだったんだもん。


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2010年08月10日

ことの は / 小谷美紗子

ことのはことのは
小谷美紗子

バウンディ 2010-05-12
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あるいはずっとそうだったのかもしれないのだけれども、今作で最も魅力的に映るのは特定の誰かを強くにおわせながらもすっと聴き手の内側に入り込んでくる世界を創出しているという点だ。こちらとしては描かれたストーリーを追体験するというような単純なことではなく、もちろん共感というともすれば一瞬にして安っぽいものになり下がってしまうようなタームでもなく、もともと自分の中に、そこにただあり続けたと思わせるほどの力がここにはある。世の中にある『線路』は、君へとは決して届かないものがほとんどであるが、なぜか巷にあふれるそれのモチーフとしては心に届く、あるいは夢へ到達する扱いがほとんどではないだろうか。でも、この作品で出てくるのは断絶の象徴としてのそれだ。「もったいないほどに晴れる」とはどういうことか。すべてには終わりがあることを、知っている者の言葉だ。それでも「未来中で一番早い今日こそがスタート」だなんて、ああ、ここでも「否定からのそれでも」じゃないか。僕が彼女に信を置くのはそういうところが変わらないからだ。ラストの名曲『手紙』で紡がれる「私は大丈夫」であるという根拠が「自分とあなたを信じているから」という儚さ。そこに至るまで語られてきた言葉たちにリアリティがあるからこそ、その表現が強さに転じるのだろう。「眠る直前までいつもあなたを思っている」そう、永遠なんてない。でも、いや、だからこそ、こういう誠実な音楽と日々を歩んでいける。ありがとう。

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posted by みかんぱ at 22:09| Comment(0) | TrackBack(0) | CDレビュー | 更新情報をチェックする

2010年08月08日

Come And Get It / Eli "Paperboy" Reed

Come & Get ItCome & Get It
Eli Paperboy Reed

Capitol 2010-05-03
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ややっ、これは楽しいぞ。マサチューセッツ拠点の優男渾身の新作は会心のモータウンソウルポップだ。もちろんサザンやブルーズ、ファンクにも目くばせしており、何よりもその往年のシンガーたちへの愛着を惜しげもなく「そのまま、素のまま」表出しているあたりに好感が持てる。それはテンプテーションズからJBまで、本当に聴いていて楽しい。歌うホーンセクションと控えめなのに渋い役割を果たしているギターがスパイス。あの時代が一気に立ち上ってくる。もっとザラついたプロダクションだったらえらいことになっていたかもしれない。それは望み過ぎか。とにかく「ツボ」を知っている、とても器用で、愛と男汁の溢れる1枚。

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posted by みかんぱ at 20:59| Comment(0) | TrackBack(0) | CDレビュー | 更新情報をチェックする

The Dark Leaves / matt pond PA

Dark LeavesDark Leaves
Matt Pond Pa

Megaforce 2010-04-13
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現在はブルックリンに拠点を置く彼らの最新作。これが抜群に、感動的なほどに、素晴らしい。正直自分の中ではずっと「あと一歩」感が漂っていた彼ら。今作では地味ながら確実で大きな1歩を進んだ印象を受けた。ジャンルとしてのインディ感を残しつつ、切なさと暖かみの同居を達成したソングライティングが冴えわたり、それに裏打ちされた自信が冒頭「Starting」からラスト「First Song」までのすべての曲の端々からあふれ出していて、雰囲気あるなあ、と。ギターにしろ、シンセにしろ、コーラスやドラムもそう…すべての要素が「よいメロディ」のもとでそれぞれの役割を果たし、繊細で美しい世界の構築に寄与している。もうその姿だけでも息をのむ思いだ。弛緩する瞬間のない、高潔な一枚。上品な泣きのメロディの良さを思い出すためにはもってこいだ。

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posted by みかんぱ at 00:25| Comment(0) | TrackBack(0) | CDレビュー | 更新情報をチェックする

2010年08月07日

Shame,Shame / Dr.Dog

Shame Shame (Dig) (Eco)Shame Shame (Dig) (Eco)
Dr Dog

Anti 2010-04-06
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わお。いやね、フィラデルフィアのどろんこ集団はずっと良かったのよ。ビーチボーイズ直系のポップミュージックをなぞらえる者としてね。前作がその一つの到達点だったわけで、「Don't Give It Up」なんてリフレインをお見舞いされたらそりゃ涙もちょちょぎれるってもんですよ。でも、さらにその先にたどり着いた。化けたのではなく、はじけたのだ。土臭さをそのままに、流麗なコーラスワークに磨きをかけ、陽性の力を手に入れた。冒頭から全編にどことなく漂う祝祭的ムード、それがルーツ色が顔を出した時のスパイスになっていて、今回も単なるレイドバック的作風ではないことを感じさせる。ただし、新ドラムが今までよりずっとタイトな響きなので、そこにハマるかどうかで評価は分かれるかもしれない。正直僕も最初はあれ、と思った。でも慣れたし気にならなくなった。やっぱりどうしようもないほどにメロディがいいんだもん。「Where'd All The Time Go」の過剰なドラマ性が沁みるぜ。

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posted by みかんぱ at 01:17| Comment(0) | TrackBack(0) | CDレビュー | 更新情報をチェックする
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