2009年12月03日

Catacombs / Cass McCombs

Catacombsその昔、「プリマドンナ」なる言葉を聞いた僕は、「プリティ+マドンナ」だと思い込み、「マドンナな上にプリティとな!」とその最大級の讃辞的な響きにいたく感動したものだった。
Cass McCombsの新作のトラックリストに「」の文字を見つけた時、そんな恥ずかしい勘違いを思い起こした。
そんな思い出とは無関係に(当たり前だ)ひとたび再生してみれば激スウィートで激ロマンティックな世界が辺り一面に広がる。

その色合いは絶妙で、空想と評するにはいささか現実的すぎ、全てが現実のものかというと果たしてこんな世界が確かにあるかというと疑問符がつく。
そんなこんなで気難しいアルバムではあるが、冒頭「Dreams Come True Girl」の60sテイストは素晴らしいし、全編にロマン溢れるポップソングがちりばめられてあるので、そうだな、まあここはひとつごちそうさまってトコかな。
 
Myspace
 
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2009年11月26日

The Ruminant Band / Fruit Bats

The Ruminant Bandフロントマン、エリック・ジョンソンの世界を粛々と発信し続ける地味で愛すべき売る気あんまりないよねプロジェクト、Fruit Batsの新作。
60年代、70年代のポップ魂を持ちつつ、どこかウエストコーストの香りを含んだメロディセンスでそれをローファイフォーキーな質感で放出するステキポップソング集。
ヴォーカルの声質もハイトーンなダレンヘイマンみたいなもんで、非常にグッド。

かなり乱暴な言い方をすれば(The Beatles+The Band)×インディマナーといったテイストであります。

特に「Being On Our Own」以降の楽曲が本当に素晴らしい。Dr.Dog的な現代解釈の視点をアコースティックに落とし込んだ感じ。
本当に僕は大好きで、熱を上げているんだが、本人たちが平熱のゆらっとした感じなので、なんだかちょっと恥ずかしい気持ちである。いやはや。

ジャケもこじゃれたポップアートでよいです。相変わらずいい仕事してます、サブ・ポップ。好盤。

Myspace

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2009年11月24日

Moenie and Kitchi / Gregory and The Hawk

モーニー・アンド・キッチ 
誤解を恐れず言えば、自分は子どもっぽくて純粋なところが他人よりちょっと多いかな、と思っている。
だからかもしれないが、ある程度の年齢の人間が純であること、というのは罪であるとも思っている。
結局、純なだけでは自分も他人も幸せにはできないのだ。

そもそも「純粋さ」とはなんだろうかと考えた時に、2通りあることに気づく。
幼いころのそれと、先ほど出てきた大人が持つそれだ。

彼女の歌声を聴きながら感じたのは、その大人の純粋さ、それゆえの倦怠感、焦燥感、言いようのない嫌悪感、憂鬱な満足感である。

ジャケットにたたずむ少女は僕であり、あなただ。
世界は自分の中でだけでは完結しない。それを理解しているからこそ、周囲とのコネクトに困難さを覚え、内側の世界が瓦解し、漏れ出してしまう。
そのひとり遊びの最たるもの、それがこの作品だ。消え去りそうながら、目をそらすことをゆるさない少女の物語を、ぜひ。

Myspace
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A Book Like This / Angus & Julia Stone

A Book Like This シドニーの姉弟デュオの傑作1st。
時折どこかBjorkを思わせるジュリアの歌声と、いい意味で芯のない、ふわふわと空気のように寄り添うアンガスのヴォーカリゼーション。
アレンジもアコギを主体にピアノやストリングスなど最低限の音のみで過度な装飾を排しており、曇り空オーガニックの醸成の手法として王道かつ大正解。
アルバム全編にわたって人間の喜怒哀楽、その他あらゆる感情にフォーカスがあてられているが、そのどれもが優しさのあるまなざしでもって表出されている。音楽って素晴らしいね。
基本的に通底しているのは、「世界に突き離された私と、それでもこの世界で生きていき、誰かを求める私の姿」であるからして、もっと重くなりそうではあるのですが。

ジュリアはTravisのアルバム「The Boy With No Name」にコーラスと参加していたりそのTravisのフランが今作にプロデュースで参加していたりと、UK叙情系のメランコリアとの親和性も抜群。
マーサウェインライトとツアーするわ、ダミアンライスの前座を務めるわ、オーストラリアという国からは時々予想しない方向から面白い人たちが登場しますね。

Myspace
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2009年11月23日

Noble Beast / Andrew Bird

Noble Beast普段は理詰めでしゃべって嫌がられることが多い僕ですが、こと音楽に関しては感覚的な側面でばかりしゃべっている気がします。
知識がないのでそうならざるを得ないのですが。なはは。あんまり勉強する気ないです。ふふ。

はい、インディーキッズにはおなじみアンドリューバードの新作。
1曲目の「Oh No」がジャケとの親和性が高すぎてオーノー。

その「Oh No」の幕開けでストリングとアコギとかが気だるくも明確な意志を感じさせた瞬間
「これはそうね、1日の流れを感じることができるアルバムだわね」ときたもんです。ほーらでたでた感覚的なお話。

ほどよくポップで今回も吟遊詩人っぷりが炸裂している好盤です。

Myspace
 
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2009年09月25日

A Loud Call / Holly Throsby

A Loud Callオーストラリアの爪弾き乙女、ホリー・スロスビーの3作目にして日本デビュー盤。
ソフトロックやカントリー、ネオアコなどのジャンルを縦横無尽に飛び回る物憂げで儚い歌声とアコースティックサウンド。
脇を固めるゲストも豪華で、Silver Jewsのメンバーが参加しているあたりが個人的にはグッとくる。
そしてBonnie 'prince Billyとの「Would You?」はかのBjorkの「I've Seen It All」のような危機迫るものはないものの、官能的な一品。
ひたすら地味で眠くなるアルバムだが、この手の作品においては褒め言葉であろう。

MYspace
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2009年09月24日

Roadhouse Sun / Ryan Bingham & The Dead Horses

Roadhouse Sun素晴らしいかな荒野のカントリーブルーズ。
こういうのはやはり米国だ。この懐の深さは彼らの専売特許みたいなもの。
テキサスのSSW、Ryan BinghamのLost Highwayからの2枚目。
前作以上に非常に濃密で土臭いサザンロックを聴かせてくれています。

20代とは思えない激渋サウンド。
いったい何を食べて過ごしたらそんな音がだせるようになるのかしら。

最近思うのが若い人でこういう70年代的な、音を上手に慣らす人が増えているなということ。
それでもシーンは全く停滞した感がないのだから、きちんと探せば、非常にいい時代だなと。探す手段も豊富ですしね。

Myspace
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2009年09月23日

みなとまち

自分でもよく分かりませんが、「今日は邦楽を取り上げる!」と強く思う日が年に何度かある。
とはいえ、普段熱心に聴いているわけではない上に、自意識過剰なポーズとしての憂鬱を食いつぶす量産型ナイーブバンドの類とかあざとすぎるロリボイスとかに絶望している状況なのでっていうかどの方々もやるならもう少しうまく、上品にやってほしいものです。意図がベッタベッタに見えすぎててぐんにょりです。

で、紹介しようメモ(今命名した)に名前が載ってた彼ら「みなとまち」を取り上げましょうよと。

東京のバンドさんみたいですね。
ミニマルなサウンドのなかに微熱をまとった音像が展開されてるような感じ。
あのね、なんていうかな「よそいき」というか「ピアノの発表会」的な温度と、日常が共存している感じ。ごめん、言えば言うほど伝わらなくなってる気がする(僕の中の理解度は深まるばかりだ)

まだ結成して1年ちょいくらいみたいで、97世代とかアートスクールあたりからの影響が色濃く、(個人的には)面白みがあるところまではいっていませんが、何より僕はこの「まみれてない」感がちょいとばかしツボだったので取り上げてみましたとさ。

このまま音とだけ戯れてどんどんいいバンドになってほしいですね。
 
Myspace
 


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2009年09月22日

Blue Roses / Blue Roses

Blue Roses一曲目の歌声が耳に届けられた瞬間、「ああ、これはもう声のアルバムだな」と言う風に確信させられたのだが、すぐに間違いだと気付かされることになる。
この手の高音の美しい、Juana Molinaあたりの系譜に位置づけられる女性SSWというのは、誤解を恐れず言えば
どれも似たり寄ったりなところがあるというか、代表的なところさえ押さえておけばいいかな、といったようなところが(少なくとも僕の中には)あるのだが、これは別。
この作品は声単体の魅力に依拠したものではなく、中盤から後半にかけて、それぞれのアコースティックサウンドと神がかり的な絡み合いがそのハイライトを成すものだからである。
いや、絡み合いではなく、対話と言った方がいいかもしれない。言葉のない対話。魂の共鳴。まずい、スピリチュアルめいてきた。

僕が灯台大好き人間と言うことを差し置いても、ジャケットも雰囲気が出ていて素晴らしい。シンプルだが、聴いて損はない、完成度の高い作品だ。

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2009年09月21日

Upper Air / The Bowerbirds

Upper Air でましたでました、ザ・インディー、ザ・フォークミュージックなバウアーバーズの新作です。
 
地味ながら、これぞ!という音を聴かせてくれてます。
なんでもマウンテン・ゴーツのジョンから「10年に一度のバンド」と絶賛されたとかされてないとかで。
10年に一度かどうかはともかくとして、いいアーティストなのは間違いないですね。
 
Myspace
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